Tesla Motorsの最高経営責任者(CEO)であるElon Musk氏は、自動運転車への移行を必然的なことと考えているが、その変化には何十年もかかるはずだ、と指摘する。
カリフォルニア州サンノゼで開催されたNVIDIAの年次「GPU Technology Conference」で講演を行ったMusk氏は、年間1億台の新車が購入される現在のペースだと、今日道路を走る20億台の自動車がすべて自動運転車に置き換えられるまでには、最大で20年かかる可能性もある、と述べた。
Musk氏は米国時間3月17日、NVIDIAのCEOを務めるJen-Hsen Huang氏に対し、「移行はすぐには完了しないだろう」と檀上で行われたインタビューで述べた。「しばらく時間がかかる」(Musk氏)
自動運転車は自動車業界を魅了しており、日産自動車やAudiといった多くの自動車メーカー、さらにGoogleやNVIDIAなどのテクノロジ企業がそのアイデアの実現に取り組んでいる。自動運転車は人命を救う可能性も秘めるが、現在のところ、自動車メーカーは少しずつ事を進めており、縦列駐車、コンピュータ制御のエマージェンシーブレーキや車線変更に関する警告といった自動化機能を自動車に追加するに留まっている。これらの企業はより洗練されたプロトタイプを開発しているが、一般市場向けの自動運転車はまだ現実にはなっていない。
こうした状況は近いうちに変わるかもしれない、とMusk氏は考える。「私たちは近い将来、自動運転車を珍しいものとは思わなくなるだろう」(同氏)
Musk氏によると、現在のところ、時速5マイル(約8km)〜10マイル(約16km)で走る自動車は、超音波センサの範囲内で停止させることが可能なので、比較的に簡単に制御できるという。時速50マイル(約80.5km)を超える速度でハイウェイを走る自動車もかなり容易である。これは、フリーウェイの道路はそれほど複雑ではないからだ。しかし、時速10マイル〜50マイルで走る自動車は、都会の環境、発進と停車、歩行者、そのほかのさまざまな物体に対処しなければならないので、はるかに困難だ、と同氏は述べた。
「しかし、われわれは何をすべきかを正確に把握しており、数年でそれを実現するつもりだ」(Musk氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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