「HTC Vive」の第一印象--HTCとValveが共同開発した新VRヘッドセット

Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 石橋啓一郎2015年03月24日 07時30分

 2015年中に、また新たなVRヘッドセットが登場する。だが、これはスマートフォンを利用するものではない。

 意外にもHTCとValveが協力関係を結び、Mobile World Congressで、「HTC Vive」と呼ばれる仮想現実ヘッドセットとプラットフォームの組み合わせを発表した。HTC Viveは「Oculus Rift」のライバルにあたるPCゲーム用のVRシステムで、2015年中に2段階に分けてリリースされる。第1弾は3月にリリースされる「開発者向けエディション」で、第2弾の一般向けバージョンは年末に発売される。

 HTC Viveは、ネットワークに接続された新製品を、複数のカテゴリに展開していくHTCの段階的戦略の一部だ。対象となるカテゴリには、フィットネスやスマートホーム、VRなどが含まれる。HTCがどのような製品を準備しているかは不明だが、このVRヘッドセット(とValveとのパートナーシップ)には誰もが驚かされた。理屈で言えば、Valveは本格的なパートナーであり、ゲーム業界で大きな存在感を示している企業の1つだ。

スマートフォンではなくPCの周辺機器

 HTC ViveはOculus Riftと同じく、ゲーム用PCに接続して没入的なVR体験を提供するものだ。つまりこれは、サムスンの「Gear VR」のようなスマートフォン用の周辺機器ではない。HTCは一般にはスマートフォンの会社だと思われているため、これを意外に思う人もいるだろう。プレスリリースでは、Viveは「高品質なグラフィック、90fpsの表示、オーディオの忠実性」を備えていると説明されている。筆者がこれまでに見た限りでは、これはうなずける。

提供:Sarah Tew/CNET
開発者向けエディションのセンサが埋め込まれたヘッドマウントディスプレイ(初期プロトタイプ)
提供:Sarah Tew/CNET

新たなタイプのコントローラ

 VR環境での入力方法は難しい問題だ。既存のVRシステムで、多くの入力方法が試みられているが、完璧な答えはまだない。HTC Viveでは2つのVRコントローラを使用するが、これが仮想環境を探索するのにも、ゲーム用にも使われる。このコントローラは「PlayStation 4」の「Project Morpheus」VRで使うモーションコントローラ「Move」に少し似ているが、同時にValveの「Steam」コントローラにも似ている。各コントローラにはタッチパッドに似たクリックできる面があり、タッチパッドと操作スティックのハイブリッドになっている。

 大量生産されている優れたVR用の操作システムは少なく、Valveのコントローラが中核を成すものとなりうる。


HTC Viveは部屋内の周囲を検知し、ユーザーはVR空間の中を動き回ることができるとされている。
提供:Sarah Tew/CNET

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