KDDIは3月6日、プリペイド型の電子マネーカードサービス「au WALLET」が2月24日に1000万ユーザーを突破したことを発表した。2014年5月21日のサービス開始から約9カ月での大台達成となる。今後はさらなるユーザー獲得に向けて、さまざまなキャンペーンを展開する。
au WALLETは、コンビニや飲食店、映画館、ネットショッピングなど、世界に3800万以上あるMasterCard加盟店での買い物に利用でき、どこで使ってもポイントが貯まるプリペイド型の決済サービス。専用のスマートフォンアプリからカードの残高を確認でき、決済するとすぐに金額が反映される。クレジットカードのように審査や年会費が必要ないため、学生などでも気軽に持てることも特長だ。
サービス開始当初は、予想を大きく上回る申込みに対してカードの生産が追いつかず、発送が遅れるといった不測の事態にも見舞われたが、増産対応した9月以降は正常に発送できるようになった。その後も同社の期待を超えるペースでユーザーが増え続け、年度末を設定していた1000万ユーザーを1カ月前倒して達成した。
実際のアクティブ率については明かされなかったが、KDDI新規事業統括本部 新規ビジネス推進本部 事業開発部長の中井武志氏によれば、「2016年に1兆円の流通総額を目標に掲げているが、2014年度の目標値はすでに超えている」という。当初は、数百円の決済が多かったが、いまでは家電など高額な支払いにも使われているそうだ。
「王道の使われ方は、auかんたん決済でチャージして、セブン-イレブンなどのコンビニで使い始めて、その他の店舗での支払いなどに広がっていく」(中井氏)。日本ではいまだに現金での支払いが主流だが、au WALLETはプリペイドで上限が決まっており、手元のスマートフォンで瞬時に残高を確認できることから、現金に近い感覚で利用するユーザーが増え始めているという。
また、クレジットカードを持てない10代を中心にAmazon.co.jpを始めとするネットショッピングでの支払いに、au WALLETを使うユーザーが増えているそうだ。「ネットでのクレジットカード利用はセキュティ的に怖いと思われている人もいる。その点はプリペイドであれば安心だし、使いすぎることもない」(中井氏)。
同社では10月末から「au WALLET クレジットカード」も発行している。日々の買い物や公共料金の支払いに加えて、au携帯電話の利用料金の支払いなどにも使える。au WALLETでは200円につき1ポイントだが、こちらでは2ポイント貯まる。ただし、クレジットカードのため持てるのは18歳以上で、審査も必要になる。
au WALLETは好調だが、クレジットカードについては「まだまだこれから」と中井氏。ただし、併用しているユーザーも少なくないようで、小額はプリペイド、高額はクレジットカードといった使い分けをしているという。「その間をつなぐ“ポイント”がうまく機能している」(中井氏)。
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