中国のEコマース大手のAlibabaが、中国のスマートフォンメーカーMeizuに5億9000万ドルを出資し、同社の少数株を取得することで合意した。この提携により、Alibabaは自社の携帯電話向けカスタムOS「YunOS」の搭載ハードウェアを増やし、一方のMeizuはAlibabaの巨大なオンライン流通ネットワークを利用することになる。
今回の提携は、Alibabaにとって、ハードウェアとモバイルプラットフォームの成長に改めて注力する機会となる。また新興のスマートフォンメーカーMeizuにとっては、またとない成長への足がかりとなる。
中国広東省の珠海市に本拠を置くMeizuは1000人の従業員を擁し、2014年に発売された「MX4」など、主に中国市場向けのスマートフォンを手がけている。しかし、Xiaomi(小米科技)やHuawei(ファーウェイ)、Lenovoといった中国市場ですでに存在を確立しているメーカーと比較すると、市場シェアが推定2%弱のMeizuはいかにも小さな存在だ。
「Meizuへの出資は、Alibaba Groupのエコシステムを大きく拡大するものであり、また、より幅広いモバイル製品と体験の提供を目指す当社の総合的なモバイル戦略にとって重要な一歩だ」と、Alibaba Groupの最高技術責任者(CTO)Wang Jian氏は声明の中で述べている。
AlibabaのYunOS(yunは中国語で「雲」を意味する)は「Aliyun OS」とも呼ばれ、おそらくAlibabaがMeizuに出資する理由はここにある。同モバイルOSは、Googleの「Android」OSとは互換性のないAndroidのフォークバージョンだが、Aliyunのアプリケーションストアでは海賊版のAndroidアプリが出回っている。同OSはクラウドベースのサービスを念頭に置いて開発されており、クラウドサービスでは、同OSを搭載する複数のデバイスの通話データ、メッセージ、写真へのアクセスが可能になるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」