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ウェザーニューズはアジアを救うか--観測技術の差に商機あり

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 気象情報を観測・提供するウェザーニューズが、2014年の下半期から東南アジアでの拠点拡大を加速している。同社のアジア新興国展開担当取締役の志賀康史氏に、アジアでの戦略や今後の展開について聞いた。


アジア新興国展開を統括する専務取締役の志賀康史氏(右)とネパールのマーケティング担当者(左)

日本とアジアの観測技術の差に商機あり

――これまでの海外、特にアジアにおける進出の状況を教えて下さい。

 海外ではこれまで、主に海運業界の顧客企業向けに事業を展開してきました。世界14カ国17カ所に拠点を置き、50カ国以上の企業に当社の気象情報サービスを利用していただきました。今後は欧米だけでなくアジアでも長期的に事業として成立させていきたいという方針で、あえて挙げるならば、中国、韓国、香港、台湾にフォーカスしてきました。東南アジアでは、先んじて2011年9月にシンガポールに拠点を構え、同国をハブとして活用するグローバルな海運会社を支援してきました。

 今後はより新興国へ。さらに、海上だけではなく航空・陸上でも気象リスクを抱える国にも進出したいと考え、2014年10月にフィリピン・マニラに、12月にはインドネシア・ジャカルタにそれぞれ拠点を開設しました。

――アジアと日本で、観測情報や技術に差はあるのでしょうか。

 アジアには、日本ほど充実している観測情報はありません。たとえば、インドネシアは日本の約5倍の広さの国土がありますが、現時点で観測地点のカバー率から見れば日本の10分の1程度です。また、日本ではライブカメラの映像の画像解析から風速などを観測するなど、従来とは異なる観測技術も投入してきました。

 気象情報を受け取る市民の意識においても日本との差を感じます。たとえば、フィリピンは2013年、多くの家屋が倒壊するなどの大きな台風被害にあいました。これが日本なら、将来また台風の被害を受ける可能性がある同じ地域にもう一度住むことに躊躇する人が多いはずですが、現地にはまたそこに家を建てては壊れて、を繰り返す人もいます。

 ですから、市民だけでなく政府も含めて気象に対するリテラシーを高めていく必要があります。そのために、まず自分たちが住んでいる国や地域が、気象的に見てどのような環境に置かれているのかという現状の把握、危険の検知、対策の検討をするための情報を観測する必要もあります。

 日本の技術をベースとしながらも、アジアにはモンスーンなど日本にはない気候もありますから、現地の観測インフラや技術を開発し、提供する情報を充実させていく考えです。

――アジアで特に開拓していきたい領域は。

 チャイナ・プラス・ワンの流れを受けて、東南アジアに工場を置く日系企業も多く存在します。2011年にタイにある工場が洪水被害にあったことはまだ記憶に新しいかと思います。そうした工場のサプライチェーンマネジメントにおける気象情報のニーズにも応えていきたいです。

 また、アジアの新興国では地下鉄など高速輸送機関の建設が盛んです。建設から品質管理までの各工程においても、気象情報のニーズは大きいと見込んでいます。これまで当社が日本国内で培ってきた、工場の安定的な稼働や交通インフラ整備におけるサポートの経験を生かし、アジア新興国の発展を支えていけたらと考えています。

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