オバマ大統領がプログラミングの重要性を説いたスピーチをきっかけとし、2013年頃から米国を中心に、子ども向けのプログラミング市場が盛り上がりを見せている。現在は日本でも中学校の学習指導要領の改訂により、男女ともに「技術・家庭」でプログラミングの授業が行われているという。
「プログラミングができると就職に有利だから」ということではなく、本当のメリットは、「問題を設定し解決する力」「プロジェクトを設計する力」「アイデアを伝える力」の育成にあると阿部氏は説明する。
Scratchの登録ユーザーは世界で530万人おり、Scratchで作成したコンテンツは約800万の登録があるという。Scratchはオープンソースで、登録をせずに使用できるため、実際にはさらに多くのユーザーがいると見る。その中で日本の登録ユーザーは4万2419人で、0.8%とまだ少ない。
最近の子どもは、幼少のころからタブレットなどになじんでおり、親が教えなくても操作できることから「デジタルネイティブ」とも呼ばれる。阿部氏は「それは使いこなしていると言えるのか。本は読めるけど(字を)書けないような状態ではないか。遊べるけど、どうやって作られているのかはわからない。コンピューティングのリテラシーがない」とし、プログラミングの必要性を説いた。
セールス・オンデマンド 新規事業開発部の小暮武男氏は、子どもたちのRomo体験を通じて「子どもたちに成功体験を与える」と説明する。
例えば、Romoを三角形に動かすプログラミングを考えたとき、子どもはまず「同じ長さを3回走らせて3回曲がればいいんだ。三角形の角の合計は180度だから、曲がる角度は60度づつに指定しよう」と考えるという。実際に動かしてみると、三角形にはならず、子どもたちは悩む。実際に自分で動いてみるなどし、60度ではなく120度ずつが正解ということに気づく。
「身近なモノが動くしくみを楽しみながら知ってほしい。モノを動かす楽しさを知ってほしい」と語った。
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