世界時を決定している国際機関で、パリに本部を置く国際地球回転および基準座標系事業(International Earth Rotation and Reference Systems Service:IERS)は現地時間1月5日、6月の最後に1秒を追加すると発表した。
IERSのEarth Orientation Centerの責任者を務めるDaniel Gambis氏は、「時間の測定と配分に責任を有する当局」に宛てた書簡の中で、6月30日23時59分59秒の直後に「正のうるう秒」を挿入すると発表した。これにより、7月の始まりが一瞬遅れることになる。
うるう秒は、地球の自転によって定義される世界時(Universal Time:UT)と、世界各地の研究機関に約200台ある原子時計の加重平均である国際原子時(略称はフランス語表記のTemps Atomique Internationalの頭文字を取ってTAI)の間のわずかな脱同期状態を修正するもので、12月または6月の最後に追加される。
うるう秒は、地球の自転速度の変化を相殺する目的で1972年に導入された。基本的に、原子時計は地球の自転よりも正確で一定のペースを保っている。地球の自転は速度が遅くなることもあり、そうなるとUTとTAIは少しずれてしまう。UTに1秒を追加することで、両者は同期状態に戻る。
前回、うるう秒を追加したのは2012年6月末日だった。ほとんどの人の生活では気づかれずに終わったが、いくつかのウェブサイトではサーバの時刻が突然ずれ、うるう秒による障害が発生した。このような状況を踏まえ、世界各国の時間の管理に関わる機関は、11月にスイスのジュネーブで開催される世界無線通信会議で、うるう秒を廃止するかどうかを議論する必要に迫られている。その間、6月のうるう秒挿入により、会議出席者は自らの立場について検討する時間が1秒増えるというわけだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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