logo
CNET Japan Live 2014 Winter

ウェブ×店舗をどうつなげるか--女性を取り込む@cosmeのO2Oプロモーション戦略

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 12月4日、「『ボーダレス』がマーケティングの決め手~組織・手法・技術の垣根を取り払う~」をテーマに「CNET Japan Live 2014 Winter」が開催された。ビジネスをドライブさせイノベーションを促進する重要な要素となるマーケティングについて、講演やパネルディスカッションが行われた。

  • アイスタイル サービス開発本部の本部長である濵田健作氏

 ここでは、アイスタイル サービス開発本部の本部長である濵田健作氏によるセッション「オンラインから店舗まで生活者のモチベーションを喚起するビューティプラットフォームのご紹介」の模様をお伝えする。オンラインとオフラインの垣根を越えて、生活者の購買意欲を喚起させるためのO2O戦略について、事例を交えて紹介した。

 アイスタイルは、美容のポータルサイト「@cosme」、化粧品店舗「@cosme store」、化粧品のECサイト「cosme.com」を運営している。ウェブ、実店舗、ECサイトと、オンラインとオフラインをサービスの軸でつないでいる会社だ。濱田氏は2005年に同社へ参画し、さまざまな事業の構築やサービスの開発などを手がけている。

 また濱田氏はアイスタイルのビジョンと事業モデルを紹介した。ビジョンは“「生活者中心の市場」の創造”であり、生活者の「知りたい」「伝えたい」「買いたい」と企業の「伝えたい」「知りたい」「売りたい」をデータベースに蓄積し、ユーザーと企業をつなぐユーザー基点のマーケティング活動を促進することという。

アイスタイルの事業モデル
アイスタイルの事業モデル

 @cosmeの月間アクセス数は3億PV、月間訪問者数は980万人、登録会員数は300万人、登録商品数は22万点、クチコミ数は1150万件だという。その特長は女性の利用率の高さで、20代から30代の女性の約半数が毎月利用している。またリアル店舗である@cosme storeは全国に6店舗あり、都内5店舗の来店客数は月間約16万人であるという。店舗には、「ランキング棚」「テスター&パウダールーム」「PC完備&カウンセリング」など、売り方の独自性が特長であるとした。

 化粧品のECサイト「cosme.com」の月間アクセス数は500万PV、月間訪問者数は100万人、取扱商品数は1万点、取扱ブランド数は1200件となっている。濱田氏はその特長に、売れ筋の商品や購入者の評価を確認して買い物ができることを挙げた。特に有効なのは、使用感や付け心地などECでは分かりにくいところをバイヤーが細かくレビューすることだという。

 さらに、ウェブとリアル店舗に対応するポイントプラットフォームも大きな要素であると濱田氏は言う。ポイントはサイトの利用やゲームへの参加、買い物によって貯めることができ、リアル店舗やECサイト、さらには提携サロンなどで使える。これが、ウェブから店舗へ、そして情報行動から購買行動への重要な架け橋になると濱田氏は強調した。

  • 共通か委員IDとポイントは情報行動から購買行動への架け橋に

 ここで濱田氏は、CNETJapanLiveのテーマにある「垣根」のひとつ、「オンラインとオフライン」について事例を紹介した。まず一例として、顧客の購買行動の流れを紹介、この流れは「商品との出会い」「自分事化」「アクション」に分けられるが、ポイントごとにウェブの強みと店舗の強みがある。濱田氏は、実際に妻へのプレゼントの商品選びに行った流れを当てはめて説明した。特に、いい面と悪い面をクチコミ情報により得て、実店舗で製品に触れたことが購入の後押しになったという。

  • 顧客の購買行動の流れの一例

 こうした購買に至るまでの消費者の活動において、濱田氏はセレンディピティが重要であるとした。これは、「求めていなかった価値のあるものを偶然見つける」ということ。それをレコメンドや、一緒に購入される商品の提示などで喚起していくという。また、クチコミの絞り込み検索の有効性についても紹介した。

 さらに事例として、ウェブからウェブでの、ポイントを活用した購買喚起のテストの結果を示した。これは5万人に100ポイントを進呈するという、期限付きポイントの大量付与を1カ月という短い有効期間で設定し、ECサイトでの購入をうながすというもの。結果、5万人のうち2882人が購入した。CVRは5.8%、CPAは100円となる。

 次に、SNSでゲリラ的に「明日12時から上野店で先着20名にプレゼント」というCP告知を行い、店頭への来店喚起テストを実施した。しかし、これは7人しか来店せず失敗。濱田氏はその理由に、天候が悪かったこと、期間が短かったこと、「行ってもインセンティブをもらえない可能性がある」と動かないことを挙げた。

  • 「店頭サンプル引換券」の来店喚起テスト

 そこで、「店頭サンプル引換券」の来店喚起をテストした。これは、保持しているポイントをサンプル引換券と交換し、店舗でサンプルと交換、ついでに店内で買い物をしてもらおうというもの。引換券の上限を500人としたところ、500枚が即日交換され、424人が来店、購買者は197人に上った。来店率は82.4%、CVRは39.4%と成功を収めた。最後に、さらに人数を増やして「百貨店カウンター」に来店するかを検証、配布率98.7%、来店率62.6%と上々の結果となった。

 濱田氏はまとめとして、ユーザーに関与してもらうことが重要であるとした。ユーザーに「小さく参加」してもらうことで、ユーザーは「●●したんだから」と、来店や購買といった「大きなアクション」につながっていく。これはウェブや店頭において効果的であることはもちろん、O2Oプロモーションでも有効であるとしてセッションを締めくくった。

-PR-企画特集