UPDATE Amazonは小型無人飛行機を使った商品宅配を試験的に行う野心的な計画を持っているが、屋外で飛行テストを実施するには、米連邦航空局(FAA)の認可が必要だ。
一方、FAAは早急に認可を与えようとはしていない。認可してしまうと、商用および自家用の飛行機やヘリコプターも使用する領空に、Amazonに限らず無人飛行機が大量に押し寄せるおそれがあるからだ。現在、商用無人飛行機を運用することは違法だが、FAAは一部の組織に飛行テストの実施を認めている。Amazonも自社の無人飛行機の飛行テストを認可してほしいと考えていた。
Amazonは今週、FAAに最新の書簡を送付し、認可が下りなければ、さらに多くの無人飛行機の飛行テストを海外で行うことにすると圧力をかけた。これにはFAAの監督プロセスに対するAmazonのいら立ちが現れている。
「私が懸念しているのは、米国で(無人飛行システムの)技術革新を続けることの根本的なメリットに対して、FAAが疑いを持っているのではないかということだ」と、Amazonでグローバルパブリックポリシー担当バイスプレジデントを務めるPaul Misener氏は、米国時間12月7日付の書簡の中で記している。
FAAは声明の中で、Amazonの状況を引き続き審査していく予定だと述べ、Amazonと「密接に連携する」ために検査官を既に任命したことも明らかにした。
「FAAは現在、同社が申請を完了するために必要な追加の情報を待っている」とFAAは説明している。
ただし、FAAがAmazonに対してどのような追加情報が必要だと述べているかについては、両者はともに明らかにはしないだろう。また、FAAの広報担当官は、この手続きに関して決まったスケジュールはないと述べている。
世界最大のオンライン小売業者であるAmazonが、7月に続いて今回の書簡を送ったことは、ドローンに対するFAAの警戒感を浮き彫りにするものだ。FAAはドローンの商業利用に関する規則作りに取り組んでおり、現時点では、屋外でドローンを飛ばすことが許されているのは、個人の愛好家だけだ。FAAは、商業利用に課する規制が定められるまで、屋外での大規模な試験飛行の承認には慎重な姿勢だ。そのため、今のところ、Amazonは米国外で試験飛行を行わざるを得ない。
「屋外での試験飛行の実施に関し、FAAからの時宜を得た承認が得られない状況の中で、当社は米国外にある屋外試験施設を利用し始めた。米国外にあるこれらの施設では、新しい設計や改善に合わせて、当社の『Prime Air』機の組み立てや改造を即座に実施することが可能だ」と、Amazonは書簡の中で述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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