ガンホー・オンライン・エンターテイメント(ガンホー)は12月10日、同社のゲーム「パズル&ドラゴンズ」(パズドラ)について、中国向けに展開することを発表。中国のネットサービス会社でありオンラインゲーム運営も行っているTencentと事業提携をし、独占的にパートナーシップを組んで展開する。配信時期については未定としている。
会見で登壇したガンホー代表取締役社長CEOの森下一喜氏は、これまで中国展開についてさまざまな検討を重ねるなかで、3つの問題点をどうクリアすべきかを考えたという。その3つは配信元(運営元)を自社で行うかどうか、マーケティングをどうすべきか、パズドラの言語ローカライズだけでいいのかという部分。これを踏まえて「中国でのコンテンツ配信には国からのライセンスを受ける必要がある。また日本と同様にトレンドの変化が激しい上、ゲームユーザーの特徴が日本と中国で違っている部分も大きい。中国ユーザーの考え方やカルチャーを我々だけで把握するのは難しい」と、パートナーを組むことが不可欠であると説明。
Tencentは、中国でも大きなユーザーを抱えるQQやWeChatなどのコミュニケーションサービスを展開。またオンラインゲームプラットフォームのQQゲームなどもあわせて展開している。森下氏はTencentとパートナーを組んだ理由として、ユーザーベースを持っている会社はほかにあっても、PCやモバイルオンラインゲームの運営経験があり、運営サービスを通じての状況把握に長けていることを重要視。日本におけるパズドラのサービスはまもなく3周年を迎えるが、3年続いている要因としてゲームとしての面白さだけではなくサービスが一体となっていることだという。そして「ナンバーワンのゲームとナンバーワンのパブリッシャーが組めた」と自信を見せた。
会見に同席したTencent シニア・ヴァイス・プレジデントのスティーヴン・マー氏は、中国は年40%の伸び率を示すほど世界でも最も急速しているモバイルゲーム市場であり、利用者は5億人ほど。この1~2年で世界一の市場になると見解を示す。マー氏は「オンラインゲームではリーディングカンパニーであり、今回の提携は非常にエキサイティング。この化学反応が楽しみ」と語る。
中国展開にあたっては、「日本で配信しているパズドラのパズルアクションのルールは残しつつも、中国版パズドラと表現できるぐらい、0から作り直しているといってもいい」(森下氏)というほどのローカライズを行っているという。マー氏も、「両社からトップの人材を集めて、中国市場に合う形でゲームを開発している」とも語った。
森下氏は、目標としている数字についての質問に対しては具体的に触れず、「短期的な収益や数値目標をかかげるのではなく、歴史的な遊びとして残っていくのが大事。パズドラの遊びを広げたい」と意気込みをみせていた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス