楽天証券は11月26日、株式トレーディングツール「MARKETSPEED」に国内初となるMac版を追加すると発表した。12月中に投資情報やチャート分析などを実装した「MARKETSPEED for Mac Version 1」の提供を開始し、2015年2月をめどに発注機能を追加した「同Version 2」をリリースする。
今回のリリースにあたり、楽天証券の代表取締役社長である楠雄治氏は「1999年3月の設立以来、楽天証券はさまざまな業界初のサービスを提供してきた。今回もMac版の提供で先陣を切る」と述べた。Mac版リリースの背景には、iPhoneやiPadユーザーが「母艦」としてMacを使うなど、Macの普及率が上がってきたことを挙げ、満を持しての提供になると強調。
楠氏自身も80年代後半からのMacユーザーであり「これで会社からWindowsパソコンを借りることなく、自宅のMacで使えるため非常に喜んでいる」と率直に感想を述べた。
同社常務執行役員である矢田耕一氏は、Mac版のポイントとして「業界初」「Voice Of Customer」「マルチデバイス」の3点を挙げる。「米国では先日、Appleの市場シェアが13.4%という発表があったが、日本でも10%前後はあると見ている」とし、業界で初めてMac版をリリースする理由の1つとしてシェアの高さを挙げた。
また、ユーザーからの要望でMac対応が最も多かったことを説明し「その要望に応える時機」であるとした。さらに、スマートフォン版のトレーディングアプリ「iSPEED」は累計ダウンロード数が85万を越えており、Mac版はスマートフォンアプリやパソコンと「お気に入り銘柄」をクラウドで同期するなどマルチデバイス対応を実現した、矢田氏は「いよいよ“すべてのMacユーザーに最高の投資体験を”という思いが実現する。Macユーザーの皆様も、あと1カ月楽しみに待っていてほしい」と述べている。
同社カスタマーエクスペリエンス部の川合恵太氏、ジョン・サンイク氏が「MARKETSPEED for Mac」のデモを実施。川合氏は開発のポイントとして「従来の機能の継承と拡大」「ユーザビリティのニーズに対し新しい形で提供」「UIが優れているMacの機能をフルに活用し、最高の投資体験を実現する」の3点を挙げた。
従来の機能の継承と拡大では、ユーザーに多用されているテクニカルチャートの機能を拡大した。画面左の一覧から銘柄をドラッグ&ドロップすることでメイン画面に容易に登録し比較できるようにした。ユーザビリティでは、1ページに100銘柄を表示できるマイボード機能を搭載、前日比を7段階の色で表示でき、色はカスタマイズできる。これにより、一目で状況やトレンドを把握することが可能になった。
マイボードへはテクニカルチャートと同様にドラッグ&ドロップで登録でき、株価ランキングを丸ごと登録することも可能。複数画面に移動して振り分けることも可能で、削除はゴミ箱アイコンへドラッグする。簡単に使えるため、初心者はもちろん、次の投資へのスタートラインとしても最適であるとした。
さらに、MacのUIをフルに活用した点として、自分が見やすいように自由にレイアウトできるマルチウィンドウ機能を搭載。また、仮想デスクトップ機能にも対応。最大16の仮想デスクトップにマルチウィンドウを振り分けることも可能になった。
これにより、ウェブブラウザで会社情報を見ながら投資を検討するなど活用の幅が広がったとしている。見やすいように配置したレイアウト情報をエクスポートできるので、別のMacでも同じレイアウトを再現できる。
楠氏は目標として、現在楽天証券には170万の口座があり、日本のMacのシェアが10%前後と思われるため、10%に当たる17万口座を目指したいとした。まずは「MARKETSPEED for Mac」の10万ダウンロードを目指すという。
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