“音が降ってくる”没入感--空間センサー使ったセガの新作音楽ゲーム「CHUNITHM」

 セガは、アーケード向け新作音楽ゲーム「CHUNITHM」(チュウニズム)のロケテストを11月28日から30日までの3日間、クラブセガ秋葉原新館5階にて実施する。

  • ロケテスト告知ポスター

 本作は“音ゲー”と呼ばれるリズムアクションゲーム。画面上部から下に向かって流れる棒状のノーツが判定ライン上に重なったタイミングで対応する「GROUND SLIDER(グラウンドスライダー)」と呼ばれるセンサーを操作していくゲームとなっている。

 本作の特徴は、入力デバイスをボタンではなく電子デバイスの「GROUND SLIDER」にしていることと、空間をセンサリングする「AIR STRINGS(エアストリングス)」と呼ばれるデバイスを導入していることの2点だ。ノーツの分割数を可変することができるため、例えば右半分、左半分といった幅の広いノーツから、8分割のような幅の狭いノーツを登場させて譜面のバリエーションを広げ、難易度の調整を図るとともに、キーボードやギターなどさまざまな音源の楽しさや個性を再現することができるという。

 空間センサーはスライダー上部の空間を認識。ノーツにも「手を上げる」「上げた手を振る」というものも用意されている。主にスライダーをタッチしたあとの余韻を第一としているが、手の上げ方には、自由度があり、パフォーマンスを行う余地も提供したいという。

本格的音楽ゲームでこだわった“没入感”と空間センサー「AIR STRINGS」の導入

  • 11月26日にニコニコ生放送で配信されたデモプレイより

 本作は2012年から稼働を開始した音楽ゲーム「maimai」の開発チームが手がけた。ドラム洗濯機を彷彿とさせる筐体やニコニコ動画へのアップロード機能を備えたカメラを設置するなど“動き”にフィーチャーしたゲームとなっていた。maimaiと本作のプロデューサーを務める第一研究開発本部の瀧隆一氏によれば、maimaiとは違ったアプローチで新規も含めて可能な限り幅広いユーザーをターゲットに、本格的な音楽ゲームの魅力を感じてもらえるようにすることと、継続して遊んでもらうための要素を盛り込んだとしている。

 ひとつキーワードとしてあげていたのは没入感への演出。ペンギンのように少し背が高く斜めになっている筐体には、画面上部だけではなく筐体上部にもスピーカーを設置し“音が降ってくる”感覚を演出。音を聞こえやすくするためのヘッドフォン端子も用意されているが、空間センサーの設置も兼ねた遮音壁を筐体に標準装備することで自分だけの空間のように感じさせ、心理的に手を上げることへの抵抗感も減らしているという。

  • 本作の筐体。フルHD画面にマルチスピーカーを搭載。上部にはLEDを搭載し、少し斜めになっている筐体も含めて目を引く筐体となっている。防音壁の手前にあるのが空間センサーのAIR STRINGS

 AIR STRINGSの導入に関しては、初心者は手を上げることに抵抗感があること、また音楽ゲームを愛好するユーザーは物理的ではないデバイスでのタイミング判定を気にすることもあることから悩んだという。しかし、前述した音楽ゲームとしての気持ち良さやパフォーマンスとしてプレイする幅を広げて楽しむことの意図をくんだとのこと。あくまでアクセントのひとつとして入れることで複雑な操作はさせず、自然に上げられるような譜面にするなど気持ちよさを阻害しないような調整は施しているという。

 筆者も実際にプレイしてみたのだが、最初こそセンサーが反応する高さまで手を上げられなかったのだが、少し意識しただけでちゃんと上げられるようになった。身長による個人差はあるが、おおむね胸の高さまで上げると反応する。音楽ゲームをプレイしていてボタンをうまくたたいたときや、ホールドしたあとで手を離すときに、なんとなく手を上げたくなる気分は理解できるため、それを意識して高く上げると気分的にもより楽しく感じられる。ちなみにGROUND SLIDERでの感覚は“たたく”と“弾く”の間にあるようなもの。やりにくいと感じるところは全くなかった。

 継続性を高める施策として、本作では個性的なキャラクターを用意するという。これにはキャラクターを通してゲームへの愛着を持ってもらうことも意図しているが、たとえば「MISS」をしても一定数はゲージが減らないといったようなアシスト能力を持たせている。これによって、プレイするなかで難易度が高くなってクリアできずゲームから離れてしまう挫折ポイントを回避。さらにプレイすればするほどキャラクターのレベルが上がりアシスト能力も向上するようにして、初心者、中級者の継続性を高めるとしている。一方で、アシスト能力によるスコアの影響は全く無く、ハイスコアを競い合うコアユーザーへの配慮もしっかりとなされている。

 楽曲にはJ-POPやアニメソングなどの耳なじみがある版権曲のほか、ボーカロイドや東方projectの楽曲、1998年に稼働した「パカパカパッション」の人気曲も収録。オリジナル楽曲についても参加コンポーザーには、t+pazolite氏、ビートまりお氏(COOL&CREATE)、sasakure.UK氏、DECO*27氏、れるりり氏、片霧烈火氏、Godspeed氏、Aiko Oi氏をはじめとしたそれぞれのジャンルで人気の作家やアーティストが参加。楽曲数もロケテストこそ20曲程度だが、稼働開始時にはおおよそ100曲程度を目指すとのこと。稼働後も楽曲やキャラクターを追加するマイナーバージョンアップを随時行っていく。

 瀧氏はmaimaiの開発について、当時のチームとしては手探りで音楽ゲームを制作していたことを振り返り「maimaiによってアーケード向け音楽ゲームのノウハウをためられたこともあるが、コアユーザーだけではなく一般の人にも魅力を感じて遊び続けてもらうことが重要で、その点はスタッフも十分意識して開発した。幅広いユーザーに触れていただいて音楽ゲームの魅力を感じてもらえたら」という。

 なお、ロケテストの参加者には特典を用意。自分のAimeカードを使って1回プレイするとmaimaiでの称号が付与されるほか、プレイ後のアンケートに回答したユーザーにはCD交換チケット入りクリアファイル(5種)を1枚配布。そのCD交換チケット3枚を引き換えに、ロケテストに実装されたオリジナル曲5曲を収録した限定CDをプレゼントするとしている。

  • Aimeカードを使用することでもらえるmaimaiの称号

  • クリアファイル

  • イベント限定のCD

    (C)SEGA

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