世界各国で相乗りサービスを展開しているUberのプライバシー慣行をめぐる論争は、車のスピード以上に加速している。サンフランシスコを拠点とする新興企業のUberは、改善がなかなか進まない状況を打開するため、ハイテク分野のとりわけ古い歴史を持つ大企業の出身で、シリコン業界のベテランでもある人物を指南役に選んだ。Uberが同社のプライバシーチームに協力する人物として指名したのは、IBMで最高プライバシー責任者を務めていたHarriet Pearson氏だ。
Pearson氏は、サイバーセキュリティやプライバシーを専門に手がけるワシントンD.C.の法律事務所Hogan Lovellsのパートナーで、同氏とそのスタッフは、問題点を洗い出して改善を勧告するため、Uberのデータプライバシープログラムの評価に着手する。
Uberで広報を担当するNatalia Montalvo氏は米国時間11月20日付のメモの中で、「われわれのビジネスは、Uberを利用する膨大な数の乗客とドライバーの信頼にかかっている」と書いた。
時価総額が170億ドルを超えて新興企業の成功例となったにもかかわらず、Uberの評判は(敵視されているわけではないにしても)あまり良いとは言えず、先ごろもさらに悪化したばかりだ。
Montalvo氏のコメントは、先日起きた報道合戦を念頭に置いている。一連の報道は、Uberのビジネス担当シニアバイスプレジデントであるEmil Michael氏が先ごろ、ニューヨークでのディナーの席で、「メディアで批判する者たちのスキャンダルを暴き出す」ためにUberとして調査チームを雇うべきだと発言した、とのBuzzFeedの報道を受けたものだ。
BuzzFeedがその後の記事で、Uberのニューヨーク支社のゼネラルマネージャーを務めるJosh Mohrer氏を批判したため、状況はさらに悪化した。BuzzFeedによるとMohrer氏は、Uber内部で「God View」と呼ばれている社内用データマイニング機能を通じてBuzzFeedの記者の1人の記録を追跡したという。God Viewは、職位にかかわらずUberの従業員が顧客のアクティビティやログを調査できるツールだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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