KDDIとKDDI研究所は11月17日、スマートフォン向けリモートサポートを実用化するための「ブラウザ同期技術」を活用した実証実験を実施したと発表した。
KDDI研究所が2010年に開発したブラウザ同期技術は、離れたスマートフォン同士でブラウザの表示画面を同期し、操作を支援する技術。ブラウザを利用しているためデバイスやOSに依存せず、専用のアプリケーションも必要としない点が特長だ。スマートフォンの普及に伴い、初期設定などに関する問い合わせは年々増加しているが、同社ではメール設定など多くの初期設定がブラウザ上で行われることに着目し、実証実験の実施を決定したのだという。
実証実験では、ブラウザ同期技術を活用して、スマートフォンのメール初期設定やau IDのパスワード設定など、契約者がブラウザ上で行う設定作業をauお客さまセンターのオペレータが遠隔で支援。auお客さまセンターに入電された問い合わせのうち、45.6%が遠隔支援の対象だったという。
事後の利用者アンケートでは遠隔支援を受けた契約者の94%が「また利用したい」と回答しており、操作方法がわからないスマートフォン初心者からは好評だったという。なお、セキュリティ面に配慮して、接続時にはワンタイムパスワードによる認証を行い、契約者の同意に基づいたブラウザ同期を実施したとのこと。
同社は今後、実証実験の結果を踏まえて想定外の動作によりブラウザ同期が切れた場合に円滑に復帰する機能など、ブラウザ同期技術の品質改善とリモートサポートの早期実用化に向けてた取り組みを進めていくとしている。
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