Elon Musk氏のロケット開発企業SpaceXは、多数の任務を抱えている。例えば、火星への人間の輸送だ。同社最高経営責任者(CEO)で電気自動車のTeslaも経営する同氏は今、新たなミッションに取り組もうとしている。世界最小の衛星を軌道に投入するというものだ。
The Wall Street Journal(WSJ)の米国時間11月7日の記事によると、Musk氏は元Google幹部のGreg Wyler氏とともに、重量が各250ポンド(約113kg)未満の衛星最大700基で構成される衛星フリートを製造して打ち上げる方法を考案しているという。Musk氏が2002年に創設し、今ではカリフォルニアを拠点とする主要な民間宇宙飛行企業であるSpaceXが、これらの衛星を宇宙に打ち上げるだろうと同記事には記されている。
700基の衛星で構成されるとすれば、世界最大手の衛星企業Iridium Communicationsが運用するフリートの10倍以上の規模ということになる。各ユニットのサイズは、現在使用されている最小の民生デバイスの約半分になる。
Wyler氏はWorldVu Satellitesの創設者。同社は、かなりの量の無線帯域を管理している。前出の記事によると、同氏はMusk氏と協力して、その帯域を利用して世界中の人々にインターネットアクセスを提供するつもりだという。
Musk氏のSpaceXは、NASAとの契約に基づく国際宇宙ステーションへの物資輸送など、多くのペイロードを宇宙に輸送してきた。9月には、NASAからの別の契約を航空機大手のBoeingとともに受注した。米国の宇宙飛行士を搭乗させる有人宇宙船の開発と打ち上げに関する、26億ドル規模の契約だ。
衛星に関して両氏がタッグを組めば、Wyler氏の専門知識と帯域面でのメリットと、予算や流通上の課題を克服するMusk氏の起業家精神が組み合わされることになる。Musk氏はSpaceXでもこのような課題を克服しており、自動車製造など参入のハードルが高い市場にコスト効率をもたらす才覚がある。
WSJは事情を知る匿名情報筋らの話として、両氏は、標準的な衛星の重量を半分にするだけでなく、ユニット当たりのコストを数百万ドル規模から100万ドル未満にまで削減したいと考えていると報じた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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