KDDIは10月27日、2014年冬モデルとなる新製品6機種と「VoLTE」を活用した新たなサービスなどを発表した。
プレゼンテーションの1枚目は「あたらしい自由」──白い背景に、auロゴのないシンプルな7文字だけを映したスライドからスタートし、“自由”を強調。KDDI代表取締役社長の田中孝司氏は、10月16日にスマートフォン時代の“中心のないポータル”の構築を目指すとして「Syn.(シンドット)」構想を発表したことに触れ、「本当にたくさんのパートナーからぜひともアライアンスに参加したいという声を聞いている。改めて御礼申し上げたい」と好調ぶりをアピールした。
一方で、「(iPhoneなど一部端末が各社で提供されていることから)3キャリアは皆同じじゃないかという声を聞いている。期待を超える価値を提供し、磨き上げる。ネットワーク、端末、サービス、サポート、料金、ウォレット──の6つの側面から、新しい取り組みで期待を超える価値を提供する」と語った。
今回、最も強調したのは高品質通話サービス「au VoLTE」だ。端末の発売に合わせ、12月初旬からスタートする。「高品質な通話だけで終わらせてしまってはおもしろくない。開発部門には発破をかけてきた。ボイスとデータをかけあわせ、シンクロコミニュケーションで生活革命を起こす」(田中氏)とし、音声通話に加えてウェブやメールの送受信、地図閲覧といった「データ通信」を生かしたサービスを発表した。
VoLTE通話中に、専用メニューから「画面シンク」ボタンをタップすると、通話相手と画面を同期できるサービスだ。
具体的には、通話しながら同じウェブ画面を見られる「画面シンク」、画面に書いた文字や絵を共有できる「手書きシンク」、地図でお互いの位置情報を共有できる「位置シンク」、カメラで映している映像をリアルタイムで相手のスマートフォンに表示できる「カメラシンク」がある。
この機能により、待ち合わせで迷ったときに位置情報を把握しやすくしたり、メッセンジャーでURLを送り合わずに旅行先のプランを一緒に立てたり、店でプレゼント選びで迷っているときに友人に画面で共有して相談したりできる。
このほか、最大30人で同時に通話できる「ボイスパーティ」も提供する。ボイスパーティはKDDIのカンファレンスサーバを使用したもので、発信者には通話先に応じた通話料(人数分)が加算される。また、受信者は他社の携帯電話ユーザーや固定電話ユーザーであっても対象になる。ボイスパーティ(月額300円)以外は無料で提供する。
これらの機能を利用するには、VoLTEに対応したAndroidスマートフォンが必要だ。現在のところ対応機種はLG Electronics製「isai VL LGV31」と京セラ製「URBANO V01」の2機種のみ。それ以外の端末は冬モデルでも対応しないことを明らかにしており、「開発のタイミングの問題で、先の2機種以外は対象外」と説明した。なお、ボイスパーティの提供開始日は12月初旬で、それ以外は2015年の2月以降にスタートする。
なお、isai VL LGV31とURBANO V01は、VoLTEほか、複数の周波数帯を束ねることで受信最大150Mbpsの高速通信が可能な「キャリアアグリゲーション」や受信最大110Mbpsの「WiMAX 2+」など、LTEの最新技術を搭載したスマートフォンになっている。
一方で、従来の3Gである「CDMA 1X」は搭載されていない。「日本においては、LTEオンリーになる。海外ではUTSM系でローミングする。今後どうしていくか?順次、VoLTEの対応機種を増やし、いずれは3Gをauのネットワークからなくしていきたい。既存のユーザーがいるので、強制的に巻き取ることはない。それが端末のロードマップ」と説明した。
5月から開始しているau WALLETは、開業から5カ月で申込件数が660万を突破したという。どの年代からも「セブン-イレブン」での利用が1位で、ほかAmazon、コンビニ、マツモトキヨシ、iTunes Storeの5つが上位を占める。
「もう1ステージ引き上げて、生活をもっと便利にする」とし、auユーザーを対象にクレジットカード「au WALLET クレジットカード」を提供することを発表した。10月28日より受け付ける。au WALLETと異なり、VISAに対応したクレジットカードで、所定の審査が必要になる。年会費は無料。途中解約した場合は1250円(税抜)がかかる。ショッピングの利用200円ごとに2ポイントのポイントが付与される。au WALLETカードへのチャージも可能だ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」