美少女Mobageチーム、オタクコンテンツの情報収集がはかどるニュースアプリ「ハッカドール」

佐藤和也 (編集部)2014年08月15日 10時03分
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 ディー・エヌ・エー(DeNA)は8月15日、いわゆるオタク向けのジャンルに特化したスマホニュースアプリ「ハッカドール」を発表。同日より配信を開始した。

 このアプリは、アニメ・マンガ・ゲーム・ラノベ・声優・特撮・グッズ・コスプレ・ボカロといったコンテンツにフォーカスしたニュースキュレーションアプリ。初期設定で好みのジャンルや特定のキーワードを設定することによりパーソナライズ化。その後1日3回程度、好きな作品やアーティスト、キャラクターについてのニュースが配信される仕組み。

  • 初期設定で好きなジャンルを選択する

  • その初期設定に準じて最適化したニュースが提供

  • 記事画面。タグでさらにニュースを検索することもできるほか、“謎の文章”が差し込まれたツイートをすることもできるという

 ゲーム事業で培ったビッグデータ解析能力を活用し、読んだ記事に対する反応や閲覧した記事、検索したワードなどをデータとして蓄積。使い続けることによって利用者の好みや求めるコンテンツを学習し、より最適化した記事を配信するという。扱う情報についても公式サイトやニュースサイトのみならず、個人サイトやまとめサイトなどもフォロー。ユーザーにとって有益な情報を取捨選別し、広大でオープンな情報ソースを活用できるのも利点。その抽出の要素となる辞書としてニコニコ大百科を活用しているのもポイント。またネット通販サービスの「TSUTAYAオンラインショッピング」との提携により、興味のあるコンテンツの関連商品を提示する。

 このほか、ウォッチリストとしてキーワードを登録すると、キーワードに則したニュースがリアルタイムで流れてくる仕組みも用意している。検索サイトでニュース検索するのは大変だが、このアプリではメディアを絞っているため、情報チェックがはかどるようになっている。ちなみにアプリ名は、この「はかどる」にかけたものとなっている。

 ほかにもアニメーションQRコードを活用した友だち招待システムや、閲覧した記事データを変わった形で表示。使い続けることによる“エンドカード”と呼ばれるイラストの配布など、ターゲットユーザーにあわせた最適なデザインや“遊び心”、キャラクターとのインタラクションを重視したユーザーインターフェースやゲーム的な要素を盛り込んでいる。

  • 求めている記事かどうかのデータを蓄積して、よりマッチした記事を提供。その問いかけも無機質なものではなく、キャラクタが話しかけるようなものとなっている

  • 記事を見たり使い続けることのささやかな報酬も用意されている

  • 閲覧した記事のジャンル数を単に表示するだけではなく、お弁当風やレシート風にするなど遊び心がある機能も用意

多様化する情報のミスマッチを解消、情報収集と消費活動が“はかどる”ように

 ハッカドールを開発・運営するのは、DeNAのなかでもアニメやギャルゲーなどが好きなスタッフやエンジニアが集まった美少女Mobageチーム。「今回のサービスは、自分たちと同じような悩みを抱える人たちに作りました」という、ビジネス開発統括部メディアディベロップメント部の岩朝暁彦氏は、このハッカドールが狙うこととして、ジャンルが細分化し多様化するコンテンツの情報を簡便に知る機会が乏しく、コンテンツ業界におけるミスマッチが大きくなっている現状を指摘。有益な情報をワンストップでユーザーに提供し、ミスマッチの解消に役立てたいとしている。

  • DeNA ビジネス開発統括部 メディアディベロップメント部の岩朝暁彦氏

 「僕自身はマンガやライトノベルをたくさん読むのですが、面白い作品が知られてない。バリエーションも多様になっているはずなのに、その選択肢にたどりつかないまま埋もれてしまっています。好きなコンテンツがあるなら、こういうのは興味ないの?と教えてくれる存在が乏しくなっていて、そのミスマッチが解消手段があると、個人的にはかどると考えたからです。スマホでのネットサービスとして、ユーザーの都合のいいタイミングでお知らせできればミスマッチが解消され、なおかつ今まで知らなかったコンテンツとの出会いが促進できれば消費活動も進むし、楽しいものに出会える可能性が広がると感じているからです」(岩朝氏)

 多くのニュースアプリは、このようなジャンルを「エンタメ」として提供しているが、扱っている情報は芸能界関連が中心。岩朝氏はそれを見て、マンガやアニメの情報はそことは合ってないと不満も感じていたという。逆に、このハッカードールではアニメやマンガ、ゲームを主にするために、アイドルなどの芸能ジャンルはいれていない。一方で女性向けの乙女ゲームやボーイズラブといったジャンルについては、アニメ・マンガなどと密接に関係するとしてカバーしている。メディアミックスが広くフォローできるようなトピックスを中心に据えているという。ただこのあたりは、運用を開始して動向を見極めて扱う情報を精査したいとしている。

 このハッカドールのターゲットは一言で言ってしまえば“オタク層”になるが、もう少し詳しいところで3点を挙げた。まず、岩朝氏いわく「自分たちの世代」というべき、仕事をしていて消費活動も活発かつ、コンテンツに対する愛情が深いという30代前半の男性。2つめがメジャーどころのマンガやアニメを好む20代前半。“こちら側”にはまだ踏み込めてないものの、派生するフィギュアやゲーム、深夜帯に放送するアニメに触れられると、もっとこちら側にくる可能性を秘めるユーザーがセカンドターゲットとしている。

 そしてもうひとつが青年向けのマンガやアニメを好み、男性とは違った目線からコンテンツを消費する女性ユーザー。「いろいろリサーチしていくと、たとえばグッズの軸、あるいはアニメの製作会社の軸でコンテンツを見る方がいますし、友だちにTwitterで聞いた内容を手軽に調べられるのがいいという意見をいただきました。このユーザー層も非常に大きいと感じています」(岩朝氏)。

“薄い本”歓迎の同人マークを付けた理由。キャラクター展開も視野

  • サービスにあわせて作られたオリジナルキャラクター。中央の黄色の髪の女の子が1号。右側の赤い髪の女の子が2号。左下の青い髪の女の子が3号。

 サービス展開にあわせて3人の女性キャラクターも作成。先だって公開されたサイトでは、二次創作による同人誌の作成ならびに同人誌即売会での配布を許可する同人マークが付けられていた。これについて岩朝氏は、二次創作との付き合い方は常に考え続けるべき課題ということを踏まえ、ハッカドールでは適切なルールとそれを明示化する仕組みを提示しすることによって、二次創作をしやすい環境を整えたいという。

 「単純に嬉しいことだと思いますし、ハッカドールとしては“薄い本”は歓迎しますというメッセージと受け取ってもらえたら。それは作品への愛ですから。またハッカドールは一例でしかないですが、企業側としても、品質と量の両面から見てとても重要なクリエイター層である同人界に真正面からお付き合いしていくのも、マンガ・アニメ・ゲームを盛り上げていく上でとても大事だと考えています」(岩朝氏)

 8月15日から3日間開催されるコミックマーケット86(コミケ86)では企業ブースを出展し、そこではアニメーションPVを上映。アニメ「キルラキル」などを制作したトリガーが担当し、アニメ「Wake Up Girls!」でデビューしたことでも知られる新人声優の高木美佑さん、奥野香耶さん、山下七海さんによるキャラクターボイスや歌を収録した内容。PVは公式サイトでも公開されている。

 その後のキャラクター展開としてはまだ未定としながらも、自社ゲームタイトルとのコラボ、またマンガアプリ「マンガボックス」など自社サービスを活用しながら展開を広げていきたい考えだ。

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