サイバーエージェントは7月24日、2014年9月期第3四半期(2014年4月~6月)の連結決算を発表した。売上高は512億円(前年同四半期比34.8%増)、営業利益は前年同四半期比で2.5倍となる40億円。
インターネット広告事業は高い増収率を継続し、売上高が282億円(前年同四半期比42.8%増)、営業損益が22億円(前年同四半期比24.7%増)となった。同社代表取締役社長の藤田晋氏は「インターネット広告は好調が続いており、全事業で一番状況が良い」とし、増益の要因として、アドテクノロジ(アドテク)事業が広告の閑散期にも関わらず伸びていることなどを挙げた。
アドテク事業に関連するグループ企業間での連携について、藤田氏は「(グループ企業は)“アドテク本部”の中で担当役員を付けて運営しており、非常に団結している」と話したが、一方で「(グループ内で大手の)マイクロアドは独立心が高い」とし、「マイクロアド以外はシナジーが効いてきている」と補足。マイクロアドとの関係をどうするかは「現時点ではノーアイデア」とした。
8月に構造改革を予定しているAmeba事業は、売上高が96億円(前年同四半期比43.2%増)、営業利益は赤字だった前年同四半期から29億円増となる2億円となった。
構造改革では、約1600人の人員を800人にまで削減する。現行のブラウザに絞り込んだプラットフォーム戦略からフルネイティブアプリを強化する体制に移行し、今の約半分の人数で、当面は売上高のゆるやかな成長を維持するとしている。また、新規事業として音楽や動画を扱ったものを立ち上げる予定だ。
「決してジリ貧になっているわけではない。早めに思い切った構造改革をすることが得策だと考えて着手することにした」と藤田氏は説明し、この決算発表の翌日となる7月25日に社内で説明会を開き、8月1日に辞令を出すことを明らかにした。なお、構造改革は今期中に完了し、来期には営業利益100億円を目指すとしている。
ゲーム・その他メディア事業は国内のネイティブゲームが好調で、売上高が163億円(前年同四半期比15.1%増)、営業利益が16億円(前年同四半期比41.5%減)。また投資育成事業は、7月2日に東証マザーズへ新規上場したVOYAGE GROUPの株式の一部売却により、営業利益27億円を計上予定だ。
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