名簿データ削除の「時期は未定」--ベネッセ抗議にジャストシステム

 ジャストシステムは7月14日、文献社から購入したベネッセホールディングスの顧客データをすぐに削除する方針ではないことを明らかにした。「あくまでも発表しただけ」(同社)であり、その時期は未定だという。同社に対して警視庁や経済産業省からの問い合わせはないとしているが、今後何らかの要請があった際には「真摯に対応する」としている。

 「一太郎」や「ATOK」を販売するジャストシステムは、5月に名簿事業者の文献社から約257万の顧客データを購入し、6月にベネッセの顧客にダイレクトメールを発送した。このデータは、ベネッセの顧客データベースを保守管理する企業の再委託先の従業員が持ちだしたとされており、複数の名簿業者間で転売されていた。

 ジャストシステムでは、顧客データを購入する際には、適法かつ公正に入手したものであることを条件にしていると説明。しかし、社内調査の結果、データの出所が明らかになっていない状況で購入していたことが判明したため、文献社から入手した全データを削除することを7月11日に発表した。

 ジャストシステムのこの発表に対してベネッセは翌7月12日、「現時点において一方的に情報を削除することは、警察や経済産業省による原因の究明を難しくするだけでなく、情報が漏えいしたお客様の不安感の払しょくには至らない」と抗議のリリースを発表していた。

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