米連邦取引委員会(FTC)は、子供が保護者の許可を得ずにモバイルデバイス経由で実行したアプリ内購入について、Amazonが保護者に「莫大な金額」を違法に請求したとして、同社を提訴した。
FTCは米国時間7月10日に提出した訴状の中で、顧客への返金をAmazonに命じるよう裁判所に求めた。FTCによると、アプリ内購入では通常、追加のコインやゲーム内のエネルギーなど、アプリ内で購入される仮想グッズが対象になるという。請求書の合計金額が何百ドルにもなることもある。また、99.99ドルで販売される高額の仮想グッズもある。
2011年後半にアプリ内購入機能を発表したとき、Amazonは購入時のパスワード入力を求めなかったので、子供は自由にアイテムを購入することができた、とFTCはプレスリリースの中で述べている。もっとも、今はパスワード入力が求められる。
FTC委員長であるEdith Ramirez氏はプレスリリースの中で、「Amazonのアプリ内システムでは、子供が無断で保護者のアカウントを使用し、無制限にお金を使うことが可能だった。Amazonの従業員自身もそのプロセスが生み出す深刻な問題を認識していた。われわれは、被害に遭った保護者への返金と、Amazonがアプリ内購入に関して保護者の同意を得ることを義務付ける裁判所命令を求めている」と述べた。
FTCが最初に自らの主張をAmazonに伝えたとき、同社は2014年7月1日付の書簡の中で、同委員会と法廷で争うと述べ、アプリ内購入に関する消費者の苦情を受けて、「弊社は一貫して顧客体験の向上に努めてきた」と主張した。
FTCは訴状の中で、Amazon従業員の1人がアプリ内購入機能の公開から1カ月後にこの問題に気づいたと主張し、アプリ内購入にパスワードを求めないことが「多くの顧客に問題を引き起こしていることは明白だ」という内容の社内通信記録を引用した。
Amazonはやがて、ある程度の許可を求める機能をシステムに追加したが、FTCはその手続きは不十分で透明性にも欠けると判断した。1回の購入を許可したが、その許可を出したことによって、それから最大1時間にわたってほかのあらゆる購入も認められることは知らなかった、と主張する保護者からの苦情もあった。Amazonは6月、ようやくアプリ内プロセスを変更し、情報を提供したうえで顧客の同意を求めるようになったが、FTCは同社が6月までの2年半の期間に請求した金額の返金を求めている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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