UPDATE クラウドサービス大手のAmazon Web Services(AWS)は米国時間7月10日、ニューヨーク市でAWS Summit 2014を開催した。このイベントに向けての予想では、モバイルが話題の中心を占め、期待の高いモバイルアプリ開発インフラが披露されるだろうと言われていた。
Amazonの最高技術責任者(CTO)を務めるWerner Vogels氏による基調講演では、こうした予想が正しかったことが証明された。Vogels氏はAWS顧客の成功事例を多数紹介した後、続けてモバイルについて話し始めた。
「モバイルファーストのアプリを構築するということは、顧客のためによりよいアプリを構築したいなら、顧客について確固たる考えを持ち、魅力あるアプリを構築し、厳しく評価しなければならないということだ。だが、モバイルデバイス上での評価は簡単ではない」と、Vogels氏は述べた。
ここでVogels氏は、AmazonでAWS Mobile担当バイスプレジデントを務めるMarco Argenti氏にステージを託し、Argenti氏がAmazonの新しいモバイルサービス群を紹介した。
Argenti氏は、まず「Amazon Cognito」からモバイルサービスの紹介を始めた。CognitoはユーザーIDやデータの同期に焦点を合わせた新しいサービスで、開発者がデバイス間でアプリデータをセキュアに管理および同期できるよう支援する。Cognitoのポイントは、使われているデバイスに関係なく、一貫した体験を提供するアプリを開発者が構築するのに役立つことだ。
次にArgenti氏は「Amazon Mobile Analytics」のリリースを発表した。これは、開発者がアプリ利用データを収集して解析できるようにするサービスで、アプリによるデータの送信後1時間以内に利用レポートも提供する。
今回の発表には「Amazon Simple Notification Service(SNS)」の新たなアップデートも含まれている。Argenti氏によると、開発者はAmazon SNSを利用することで、Appleの「iOS」、Googleの「Android」、および「Kindle Fire」デバイスに通知を送信できるという。
そしてもちろんAWSは、これらのサービスを開発者にとってアクセスしやすいものにしたいと考えており、そのため、iOS、Android、「Fire OS」開発者向けに新しく統合した「AWS Mobile Software Development Kit(SDK)」を発表した。
Argenti氏はこの新しいサービス群をまとめて、「デザイナーや開発者が複数のデバイスにわたってAWSのリソースにアクセスできるようにすることでモバイルアプリの改良を目指した、包括的なモバイルサービスのセット」であるとした。
より大きな視野で見ると、これらのモバイルサービスは全体として、Facebookの「Parse」やMicrosoftの「Windows Azure Mobile Services」に対するAWSの回答だ。クラウドインフラ大手のAWSは長年にわたって開発者の間で高い人気を集めているが、同社に対しては、モバイルゲームを強化するとともに、モバイル対応を後から検討するのではなく、モバイルファーストのアプリを優先するよう求める圧力が高まっていた。
AWSの基調講演で一連の発表を締めくくったのは、「Amazon Zocalo」のリリースに関する話題だ。Zocaloは完全に管理されたセキュアなエンタープライズストレージおよび共有サービスで、管理用の制御機能やフィードバック機能を備えている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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