クリプトンは7月2日、ハイレゾ音楽配信サイト「HQMストア」において、クラウド型音楽配信サービスの提供を開始すると発表した。あわせてユニバーサルミュージックの楽曲のハイレゾ配信もスタートする。
HQMストアは、2009年6月にサービスをスタートし、2014年で5周年を迎えた。これを機にウェブサイトデザインをリニューアルし、クラウド型音楽配信サービス「HQMクラウド」の提供を開始する。
HQMクラウドは、iOSアプリ「HQM Store Cloud Player」をiPadやiPhoneにインストールすることで利用できる新サービス。クラウドサービス用の楽曲を購入すれば、必要に応じて専用サーバから何度でも利用できる。
サービス開始は7月末を予定。アプリも同時期にリリースされ当面は無料で提供される。楽曲は現在提供されているものとは異なりクラウドサービス用の楽曲を新たに用意する。ファイルフォーマットはALAC48kHz/24bit、ALAC44.1kHz/24bit。60分程度の楽曲であれば税込価格1800円~。サービス開始時点で約240タイトルがラインアップされる予定だ。
クリプトンのHQM事業室室長である樋泉史彦氏は「CDなどのパッケージやストリーミング、楽曲ダウンロードなど、音楽を聴く環境は多様化している。その中でクリプトンはタブレット端末iPadに目をつけた。iPadは現在使用している人が多く、これを利用すれば新たなハードへの投資がいらない。ハイエンドなヘッドホンと組み合わせれば、相当なクオリティで音楽を聴くことができる。ただ、問題は容量が小さいこと。ALAC48kHz/24bitで、1時間の楽曲をダウンロードすると0.5Gバイト程度必要になる。これだとコレクションをためておくことができない。この問題をクリアするためにクラウドサービスしかないと考えた」とHQMクラウドの背景を話した。
HQM Store Cloud Playerは、ALAC、FLAC、AAC、MP3形式の楽曲も再生できるマルチフォーマット対応。音楽を再生しながら次に聞きたい曲を次々と追加できる「テンポラリー(一時)・プレイ・リスト」機能を備え、再生を中断することなく楽曲を聴くことができる。選んだ楽曲は保存されず、一時的なプレイリストとして使える。
楽曲のほか、HQM Store上のブックレットやライナーノートなども読むことができるブックリーダー機能も搭載。Retinaディスプレイであれば印刷物と同等のクオリティで楽しめるとしている。
7月11日には、HQM Storeのウェブページも刷新する。トップページに「ショーウインドウ」を設け、楽曲検索をサポート。クラシックやジャズといったジャンル別から「ノスタルジックな楽曲検索」「ジャケットイメージ」などの条件から楽曲を選択でき、売場へスムーズに誘導する入口を目指す。また、スタッフが作成する「お勧め」コーナーも設置するという。
新たに7月11日からはユニバーサル・ミュージックの楽曲約50タイトルを追加。ドナ・サマー、ザ・フー、ノラ・ジョーンズなどがラインアップされ、アルバム1枚3000円から提供される。今後はザ・ローリング・ストーンズ、エリック・クラプトン、スティービー・ワンダーらの楽曲が追加される予定だ。
クリプトンの代表取締役である濱田正久氏は「ハイレゾ配信は5年という節目の年。現在提供しているのは350タイトルと、ほかのレーベルに比べると少ないが、ユニバーサルミュージックからの提供も受け、年内には1000タイトル以上を配信していきたいと思っている」とコメントした。
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