セイコーエプソンは6月19日、アナリストや報道向けにウェアラブル事業についての説明を行った。新製品の発表はないものの、今年発売した「M-Tracer For Golf」が好調なことをはじめ、ウェアラブル事業にかける意気込みを代表取締役社長の碓井稔氏が語った。
100億円規模の事業を目指すウェアラブル事業は、現在推進中の長期ビジョン「SE15」の中で成長領域と定義されている。その背景としてモバイルやクラウドが発展しライフスタイルが変化する中で、生活習慣病の拡大など、健康・医療分野への関心の高まりがあるとした。また、「エプソンの起源はウェアラブル機器にあると言っても過言ではない」と述べ、ウオッチをルーツとしたウェアラブル機器の歴史からきたエプソン独自の省エネルギー、小型化、高精度の、「省・小・精の技術」でそれに応えるとした。
特に圧倒的精度のセンシング技術や、プロジェクターを手がけるエプソンならではのマイクロディスプレイ技術、プリンタ事業で開始した「Epson Connect」によるクラウド活用などが、ウェアラブル機器のコア技術となっていると説明した。
碓井氏は説明の中で、「エプソンの商品を身につけ、誇らしいと思うような商品を提供する」と話す。「医療も健康分野も、トップエッヂはエプソンが実現する」「将来にわたって一番良いモノを提供する、そのための準備をしている」と語り、特にハードウェアの性能やデザインなどに注力する考えを強調した。
新型スマートグラスとなる「MOVERIO BT-200」を実際に碓井氏が装着し、投影された画像を見ながら説明を続けた。このグラスは2世代となる製品で、2011年に初代が投入され、今回のBT-200が今年投入の2代目となる。碓井氏は、BT-200のサイズや装着感は発展途上であるとし「スマートグラスなので、メガネをかけている方が違和感のないこと」が完成形だとし、実現にはあと10年くらいかかると答えた。
GPS付きの腕時計型ランニング機器の「GPS Sports Monitor」については、「例えば400mトラックを回ると本当に400mと出る」と正確さをアピール。長時間にわたって高精度でセンシングする技術があるエプソンならではとし、今後も「最高レベルのセンシングや省エネを実現していく」と説明した。
リスト型脈拍計は企業の健康保険組合向けのものや、コンシューマー向けの「PULSENSE」について触れた。企業向けではメタボが解消されたと評判を呼び、採用数が増加中。一方のコンシューマー向けとなるリスト型脈拍計「PULSENSE」は今年のCESで発表、その性能について碓井氏は「2014年度内に商品化し、高精度な脈拍計速は世の中の人に感動をもたらす」と自信を見せた。
また、ゴルフスイング解析システムの「M-Tracer For Golf」は、発売してから品薄が続くほどの製品。供給体制が間に合ってない点を反省するとともに、供給体制の拡大を行っていることを明らかにした。その結果、「当初の数倍は売れる。今年度1万台くらいは売れる」と好調ぶりをアピールした。
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