2013年のMobile World Congressで当時最新のTizen OSを初めて見た時点では、このOSはローエンドのスマートフォンに焦点を当てていた。このため、Samsung Zが高級感のある仕上がりになっていることには、(良い意味で)驚かされた。
ブラックとゴールドが用意されているSamsung Zは(見ることができたのはブラックだけだった)、GALAXY S5の心拍モニタモジュールと、「GALAXY Note 3」の縫い目のある人造皮革の背面カバーを借りたデザインを採用している。どちらのデバイスよりも角張っており、形は四角く、上側面と下側面はフラットになっている。外側とホームボタンにあるシルバーの枠はアクセントとなっている。
Samsung Zの仕様は中の上といったところで、4.8インチ720p HD AMOLEDディスプレイ(ピクセル密度は306ppiであり、これは「iPhone」より少し小さい)、8メガピクセルカメラ、2.3GHzクアッドコアQualcomm「Snapdragon 800」プロセッサを搭載している。サムスンのカメラは一般に性能が高いため、このカメラの画像品質にも期待が持てる。
ストレージは16Gバイトで、2.1メガピクセルの前面カメラ、大容量の2600mAhバッテリを持つ。microSDカードスロットも用意されているが、これを利用するにはバッテリを取り外す必要がある。
サムスンは最初のTizenスマートフォンであるSamsung Zに十分な時間をかけた。実際、当初の発表より1年も発売が遅れている。それでも、その時間によって数あるAndroidスマートフォンとも十分に戦えるだけの、スタイリッシュなデザインとインターフェースを持つデバイスができた。サムスンのブランドの影響力は、顧客の信頼を得るにも、流通にも悪影響を与えない。
ただ、魅力のあるデザインにも関わらず、Tizenはほかの新興OSと同じ障害に数多くぶつかるだろう。具体的には、ユーザーが欲しがるアプリの獲得や、他のOSがすでに提供している機能以上のものを提供することが求められるなどの障害が予想される。
それに加え、クラウドサービスのサポートを獲得することは、他のOSに比べてかなりの困難を伴うはずだ。サムスンはS Voiceを持っているが、「Google Now」のような予測メカニズムは持っていない。同社にはGoogleのツールや「Mac」のソフトウェアと同じ機能を持つデバイスのソフトウェアを増やしていくことが求められるだろう。
しかしサムスンの流儀でいけば、ユーザーが必要とするエコシステムはクラウドではなく、サムスンの他のデバイスだ。同社の主なテレビ、ウォッチ、タブレット、カメラ、冷蔵庫、食洗機などがすべてスマートフォンと同じOSで動いていれば、それもうまくいくかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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