今週に入り、オープンソースOS「Tizen」を搭載した新たなスマートフォンを発表した韓国エレクトロニクス企業サムスンだが、同社は米国時間6月3日、Tizen搭載テレビ、カメラ、ウェアラブル端末を披露した。これらのガジェットには、今回初めて発表されたものも含まれている。サンフランシスコで開催のTizen Developer Conferenceで紹介されたこれらのガジェットはいずれも、「Android」に代わる選択肢として、Tizenを中核とする広範なエコシステムを作り出すという同社の取り組みの一環だ。
サムスンとパートナーのIntelは今週、Tizenに対する開発者のサポートを拡大することを目的としたカンファレンスを開催中だ。TizenはオープンなOSだが、それを支える規格の開発において陣頭指揮をとっているのがサムスンとIntelだ。Tizenはこれまで、スマートフォンに関する文脈で語られることが多かったが、サムスンは、このソフトウェアを自動車からスマートウォッチまであらゆる分野でリリースすることを明言した。
世界最大の「Android」搭載端末メーカーとして圧倒的なシェアを誇るサムスンだが、同社がここ3年近くの間、GoogleのOSに代わる選択肢として開発を進めてきたのがTizenだ。Tizenは既に同社のスマートウォッチ「GALAXY Gear」に搭載されており、サムスンは同OSにより、自社の未来に対するより多くのコントロールを得ることができ、Googleへの依存を減らすとともに、自社製ソフトウェアへの依存を増やすことが可能になる。
とはいえ、Tizenの開発は決して順調というわけではない。サムスン初のTizen搭載スマートフォンは、これまで再三にわたって発売が延期され、アプリストアには未だに「Facebook」や「WhatsApp」といった多くの人気アプリが欠如している。サムスンは、ハードウェアやソフトウェアそのものの準備を整えることでトラブルを抱えていただけでなく、通信事業者のサポートやアプリに加えて、順調な立ち上げには欠かせないその他の機能を得ることにも苦戦している。
サムスンは2日、同社初となるTizen搭載スマートフォン「Samsung Z」を発表した。同端末は、発売が1年以上遅れるとともに、先ずはロシアのみで提供される予定だ。また同社は、「Gear 2」といったTizen搭載のスマートウォッチやカメラも発売している。
サムスンは3日には、Tizen搭載テレビの試作品も初めて披露した。同ソフトウェアは、ウェブ接続、写真や動画の閲覧、音楽鑑賞や放送中のテレビの視聴を可能にするほか、理論上はアプリ(現時点において同テレビで利用できるアプリは多くはない)のダウンロードも可能になっている。同社はそのほかにも、Wi-Fiキーボードを披露した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
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