ウォンテッドリーは5月14日、ソーシャルリクルーティングサービス「Wantedly」と連携した連絡帳アプリ「CONTACT(コンタクト)」を公開した。まずはiOS版から配信し、ユーザーの利用動向をみながらAndroid版の提供も検討する。同社では秋ごろまでに15万ダウンロードを目指す。
CONTACTの特徴は大きく3つ。1つ目は“シンプルさ”。表示する情報を最低限に抑えたレイアウトを採用しており、ドラッグ&ドロップでグループにメンバーを追加して管理できる。グループアイコンは120種類以上用意されており、内容に応じて使い分けられる。
2つ目は“ライブ機能”。端末内やWantedlyの連絡先に加えて、FacebookやTwitterの友人の連絡先も登録できる。各サービスの友人のプロフィールが更新されれば、その内容もすぐにアプリに反映される。ただし、端末内の連絡先がCONTACTのサーバに送信されるといったことはないという。そして3つ目は、“サーチ機能”。名前や電話番号だけでなく、相手の会社名や「名古屋で知り合った人」などのメモから検索できる。
「これまでの連絡帳アプリは使い勝手やデザイン性に欠けていて、もっと改善できると思った。CONTACTがあれば連絡帳はシンプルで直感的に使えるようになり、仕事もより効率化できる」――ウォンテッドリーCEOの仲暁子氏は、サービスを開発した経緯をこのように語る。
Wantedlyは2012年1月にサービスを開始し、現在までに約2800社の企業と、約9万人のユーザーに利用されているという。登録企業の9割はベンチャーだが、クックパッドやグリー、サイバーエージェントなどのネット大手や、日本交通やサントリーといった非IT系の企業による求人情報も増加傾向にあるそうだ。
ユーザー層は20代後半~30代前半のエンジニアが中心。仲氏によれば2014年に入ってから、仕事探しだけでなく、自身のプロフィール情報を充実させてシェアするといった「LinkedInのような使われ方が増えている」という。そこでWantedlyでは、ユーザーがデザイン力やスキルなどを表現できる「ポートフォリオ」と「プロジェクト」機能を3月に実装している。
順調に規模が拡大しているWantedlyだが、同社では“すべての働く人をサポートする”ことを理念に掲げており、「転職だけではビジネスパーソンの1割程度にしかリーチできない」(仲氏)ことから、約半年前から求人サイトではなく働く人のためのプラットフォームを目指すことにしたという。そのため今後は、CONTACTのような“働く”に関わるサービスを積極的に提供していきたいとしている。
なお、同社はビジネスメールの署名を解析して連絡帳を自動生成するスマートフォン向けサービス「CARD(カード)」を2013年8月に公開したが、「Wantedlyとのシナジーがなかった」(仲氏)ため、3月末にサービスを終了した。CONTACTは代替サービスのようにも見えるが、「開発は同時進行していた。代替サービスという位置づけではない」(仲氏)とのことだ。
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