logo

10年後に生まれるイノベーションは?--GMO、DeNA、CAトップと小泉議員が徹底議論

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 起業家を中心に日本のベンチャー事業や振興政策に関わるキーパーソンが集うカンファレンスイベント「G1ベンチャー」が4月29日に開催された。同日は起業家のほか、ベンチャー経営に関わる学者、政治家、官僚など約170人が集まった。

  • 左からモデレータの堀氏、GMOインターネットの熊谷氏、DeNAの南場氏、サイバーエージェントの藤田氏、小泉議員

 プログラムの最後のセッションである「起業家が生み出すイノベーションが世界を変える」では、インターネット産業の黎明期から市場を牽引してきた経営者たちと、国のあり方を考える国会議員が徹底的に議論した。ディスカッションには、GMOインターネット代表取締役社長の熊谷正寿氏、ディー・エヌ・エー創業者の南場智子氏、サイバーエージェント代表取締役社長の藤田晋氏、そして衆議院議員内閣府大臣政務官の小泉進次郎氏の4人が参加。グロービス経営大学院学長の堀 義人氏がモデレータを務めた。

 議論の発端は、小泉氏のある発言だった。「“イノベーション”を日本語に訳すと何になるのか。一番多い意見が“技術革新”だと思うが、テクノロジだけでなくアイデアやサービスにもイノベーションがあるのではないか。イノベーションは“創意工夫”によって誰にでも生み出せるものだということを日本中に浸透させるのが、私の理想だ」(小泉氏)。

 この小泉氏の投げかけに応える形で、南場氏はアイデアがイノベーションになった事例を挙げた。「ビデオカメラを例に出すと、日本メーカーのお家芸だった市場は右肩下がりで衰退したが、近年市場は急回復している。実はこの急回復の原動力は革新的な技術の進歩ではなく、アクションカメラという欧米から流行したアイデア商品だった。結果的に、性能の向上や新たな技術の開発を続けてきた結果、シンプルなアイデアに負けたのだ」(南場氏)。

  • 「イノベーションは誰にでも生み出せるもの」の小泉議員

 カメラそのものに革新が起きたのではなく、それを頭に着けたり車やバイクに載せたりといった“利用シーン”を考案し製品を最適化させたことで、新たな市場を生み出した。アイデアが既存の停滞市場にイノベーションをもたらした好例だ。「アイデアひとつで世の中が変わる。いまはアイデアが技術を追求してきた企業をまくる時代だ。技術にこだわるのではなく、アイデアでユーザーに寄り添うことでイノベーションは生まれるのではないか」と南場氏は語った。

 一方、小泉氏や南場氏とは異なる立場でイノベーションを捉えているのが、藤田氏と熊谷氏だ。藤田氏は、「イノベーションの意味が“創意工夫”だったら平和でいい」と切り出したうえで、実際には“何かを生み出すことで、何かがいらなくなること”がイノベーションではないかと指摘する。既存の価値観や製品、企業を打ち負かしてこそ、イノベーションを提供する企業や製品が市場で大きな地位を生み出すという考え方だ。熊谷氏もイノベーションを「創造的破壊であり、ビジネスは戦だ」と同調した。

 さらに、藤田氏は「日本では既得権益の抵抗がものすごい。今までは既得権益の弱い分野、新たなニーズを生み出す分野で挑戦してきたが、これからは既存の産業に挑戦する事業に参入しなければならない」と、今後の市場環境に対して大きな課題を挙げた。既得権益への挑戦はそれ自体が経営リスクになることもあり、どのような既存産業に参入するかを見極める重要性を指摘した。

10年、20年後に生まれるイノベーションは?

 パネルディスカッションでは「今後の10年、20年で世の中にはどのようなイノベーションが生まれるか」というテーマでも各登壇者がコメントした。

 藤田氏は「注目しているのは、働き方や会社のあり方の変革。クラウドファンディング、クラウドソーシングといったビジネスは今後も成長し、社会インフラのひとつになるのではないか」とコメントした。また、熊谷氏は「アップルのiWatchに代表されるように、いまシリコンバレーで行われている試みはSF映画に描かれた近未来の世界が原体験。スターウォーズやスタートレックの世界が実現する日も近いのでは」と語った。

  • 未来のイノベーションについても語り合った

 南場氏は、イノベーションによってあえて今までの価値が再認識されるのではないかと見ている。「世の中がどんどん便利になり、どこにいても仕事ができるような世の中になったからこそ、繋がりとか人のぬくもりを求めるようになるのでは。時間を効率的に使えるようになった半面、どこにいてもニュースや仕事のチェックができる肩がこる世の中になった。便利になった結果、満たされない人間の精神的なものが求められるのでは」(南場氏)。

 こうしたコメントを受けて小泉氏は、「10年後どうなっているかはわからない。わからないからこそ、国が先頭を切って規制緩和をして道筋を作らなければならない。日本に必要なのは、リスクを乗り越えられる社会を作ること。国ができる限り民間の発想を活して、民間が挑戦できる社会、そこから生まれた産業が成長できる環境を作ることが重要だ」と語った。

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]