スマートフォンやタブレットで始まった高精細液晶の流れが、ついにWindowsを搭載したPCの世界にも広がりはじめた。1920×1080ドットを超える高い解像度の液晶を搭載するPCも増えており、中には5万円台の8インチWindowsタブレットにも高精細液晶が搭載される時代だ。
例えば、富士通のWindowsタブレット、ARROWS Tab QH55は10.1インチで2560×1600ドットの高精細液晶を備えている。最新のクアッドコアのAtomプロセッサを搭載し、価格は10万円を少し切るくらいと高価だが、唯一無二の存在だ。
ノートPCでも高精細化が進んでおり、レノボのYoga 2 Proのように13型で3200×1800ドットの液晶を搭載するノートPCは2013年から存在する。その下の2560×1440ドットの液晶のノートPCならば、種類はかなり多くなっている。また、4月16日にはノートPCで初となる4K(3840×2160ドット)解像度の液晶を搭載する東芝のdynabook T954が発表されたばかりで、今後も4K液晶を備えたノートPCの登場は予想される。
また、デスクトップPCの世界では高精細ではなく大画面化で高い解像度のモニタが存在していたが、3月にデルから28型で4K解像度を持つモニタ、P2815Qが約7万円で登場、今後は高精細化が進む可能性がある。
高精細液晶だと何が便利なのかといえば、大きくは2つ。まず1つは高精細の表示により、より緻密かつなめらかな画像や表示ができること。もう1つは表示範囲が広がり、一度に多くの情報を見られるようになることだ。そこで、それぞれの設定方法や注意点、応用方法をまとめてみた。
高精細液晶のPCやタブレットを手にしてまず感じるのは、表示される画像や文字のなめらかさだ。写真が緻密に見えることもそうだが、文字の表示も美しくなる。今までフォントによってはギザギザの部分が見えていることもあるが、それが滑らかな字に変わっている。見比べればその差は歴然だ。
フォントが滑らかに表示されることで目の疲れを抑えられ、気分良く仕事が進むという人もいるだろう。また、今までは文字が潰れてしまって画数の多い漢字の判別が難しかったということも解消される。特に、誤字脱字があってはならない業種の作業では、その威力を発揮する。例えば「ぽ」と「ぼ」の区別も、高精細なフォントがあれば見分けも容易になるからだ。
写真についても同様だ。今までは縮小しなければ見えなかった高い解像度の画像もそのまま表示できる。デジタルカメラ画像の「等倍鑑賞」でも、一度により広い範囲を映し出せる。何よりも写真すべてが緻密に見えることがメリットで、高精細な写真をより美しく鑑賞できるようになる。
実際の緻密さは高精細液晶を搭載した機種を実際に目で見てもらわないと実感できないが、ただのウェブサイトの表示フォントでも細かく表示される。2560×1600ドットの高精細液晶を搭載したWindowsタブレット、富士通のARROWS Tab QH55シリーズの液晶画面に近づいてみると精細なのが分かる。
反対に8インチで1280×800ドットの通常の解像度を持つ液晶のタブレットの場合は、少し字が小さくなると文字のディティールは潰れている。それでも複雑な漢字でも識別できるのは、人間の脳が前後の流れからあらかじめ想定された候補から選んでいるに過ぎないだろう。
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