4Kモニタ、高解像度タブレット--気になる高精細液晶のポイントと使いこなし方 - (page 2)

もっと広い範囲を表示したいなら

 もう1つの高精細液晶のメリットは、表示範囲が広がり、一度に多くの情報を見られるようになることだ。例えばExcelで作った表を、スクロールせず一度に見渡せる範囲が広くなる。数値を見比べることも容易になり、より業務が効率化する。

ディスプレイの項目の表示を小さくすると、このような表示になる。10.1型画面でこの表示はかなり小さく、人によっては見えにくいが、一覧性は高まる
ディスプレイの項目の表示を小さくすると、このような表示になる。10.1型画面でこの表示はかなり小さく、人によっては見えにくいが、一覧性は高まる

 ただし、表示範囲が広くなっても画面の絶対サイズは変わらないため、文字がより小さく表示される。「小さい文字が見えにくい」という人にはメリットにならない。

 また、表示範囲を広くする設定はたいていの場合、自分でしなければならない。特に高精細液晶のPCを購入すると、初期設定の状態で表示範囲を増やすような設定にはなっておらず、高解像度で表示される。

 最も簡単な方法は、デスクトップの壁紙で右クリックをして「画面の解像度」から「テキストやその他の項目の大きさの変更」をクリック、「すべての項目のサイズを変更する」から設定することだ。高精細の液晶を持った機種は、デフォルトで「大きくする」になっていることが多いが、これを自分の目が許す限り「小さくする」側へスライダーを動かしていく。

 基本的にはこれだけで表示が小さくなるが、一部のソフトウェアは、設定をし直す必要がある。例えばInternet Explorerの場合は、表示倍率を修正する必要がある。やり方はInternet Explorerのウインドウの右上、歯車のアイコンをクリック、倍率をより縮小方向に変更する。ショートカットキーとして[Ctrl]+[+]や[Ctrl]+[-]を押す方法もある。

  • Internet Explorerでは、全体的な表示サイズを変更可能。高精細のタブレットではデフォルトで200%になっている

  • 3200×1800ドット液晶のレノボのYoga 2 Proで、表示を小さくした場合は、このように表示される。ここまで緻密に表示が可能だが、13.3型ではやはり厳しい

  • 3200×1800ドット表示で表計算ソフトを表示したところ。表示はだいぶ小さくなるが一覧性は非常に高く、活用次第では表計算ソフトが使いやすくなる

高解像度を活かす設定もあるが、一部で非対応も

 また、この他にも高精細ならではの設定がある。前述のInternet Explorerの倍率設定もそうだが、フォントの変更などでより見やすく、より好みの環境に作り変えることができる。

 たとえば、テキストエディタでは根強い人気を誇る「秀丸エディタ」ではフォントを変更可能。[その他]→[ファイルタイプ別の設定]から変更できる。細かい文字でも高精細表示ならフォントの違いもよくわかる。好みのフォントにすることで効率アップができるならすぐに変更するべきだ。

 ただし、変更の際に注意しなければならないのは、等幅フォントを選ばないと見た目の桁が揃わないこと。それでも問題がない文章を編集している場合ならよいが、桁揃えが重要な作業ではフォントの選択には注意が必要だ。

 一方、一部のソフトではフォントの変更に対応していない場合もある。レジストリを変更するなど、特殊な方法で変更できる場合もあるが、変更できないものを無理に変更するのは自己責任で行う必要がある。残念なことに高精細モニタの設定になじまないソフトウェアも一部で存在し、高精細モニタで表示すると、とにかく小さくなってしまうものもある。どうしても使いたいソフトウェアがある場合は、高精細液晶を搭載するPCでも動作するか事前に確認したほうがよいだろう。

  • 秀丸エディタをデフォルト状態で高精細液晶機種で使ったところ。メニュー画面は本体設定で大きくなっているが、編集画面の文字は小さいまま

  • 秀丸エディタのように、表示設定が変えられるソフトは見やすい大きさに変更したほうがよいだろう。ただし、フォントによっては桁ずれが起こってしまうので注意が必要だ

  • 桁ずれは無視してWindows内蔵のメイリオフォントに変更して文字の大きさを拡大してみた。文字が見やすくなっている

4Kモニタは購入前にPCの対応を確認

 最後に、デスクトップPCで4Kモニタや高精細モニタを使う場合の注意をしておこう。まずしなければならないのは、4Kや高精細の出力にPCが対応しているか確認することだ。モニタを買ってきただけでは4K表示にならない可能性があり、物理的にもつながらない可能性があるからだ。

DVI(中央)やHDMI(左)では4Kに対応しない場合がほとんど。DisplayPort(右)がある最新機種で対応する可能性が高い
DVI(中央)やHDMI(左)では4Kに対応しない場合がほとんど。DisplayPort(右)がある最新機種で対応する可能性が高い

 PCの出力ポートは、旧来のアナログRGBしかないPCでは無理だ。DVIやHDMIポートがあっても上限が1920×1200ドットという場合が多く、4K対応はあまりない。対応している可能性が高いのはDisplayPortだ。

 DisplayPortであっても、古いものは中のグラフィックチップが対応していない。インテルの内蔵グラフィックスならば最新のHaswell世代のみ、NVIDIAやAMDのグラフィックスでも比較的最新の世代でないと対応しないことが多い。チップの対応だけでなく、本当に自分が4K、3840×2160ドットの出力ができるかはどんなPCであっても要確認だ。

 そして、グラフィックだけ対応していても、高精細映像を出力するにはCPUにも負荷がかかるので、最新の高性能PCの利用が望ましい。

事前確認を十分した上で高精細表示を楽しもう

 以上のように高精細液晶の普及は今後爆発的に進む可能性がある。ノートPCやタブレットが先行したが、デスクトップPCの世界でも広がる可能性は十分ある。ノートPCやタブレットならば本体とセットで導入できるので誰でも簡単に導入できる。

 また、前述したように高精細表示時に小さい表示になるなど相性の良くないソフトウェアもあるので、導入前にはこの点も確認しておきたい。それらの問題さえクリアすれば、一度慣れたらやめられなくなる高精細表示。ぜひ、新しいPCやタブレットで経験してほしい。

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