写真共有SNS「Pinterest」を提供するピンタレスト・ジャパンは4月7日、2013年11月にサービスを開始した日本版の現状や今後の展開について説明した。同日の記者会見には、ピンタレスト・ジャパン代表取締役の定国直樹氏のほか、米国Pinterestの共同創業者 CEOであるベン・シルバーマン氏も出席した。
定国氏によると、Pinterestは2013年11月から2014年3月までの月間アクティブユーザー数が150%に増加しており、着実に利用者が拡大しているという。
同日は、“自分の関心に合わせて好みの写真を収集する”という特長を活かしたヘビーユーザーの活用事例も紹介された。ユーザーがピンした料理の写真を収集して好みをリサーチすることでレシピ考案の参考にしたり、位置情報と連動したプレイスピンでピンされた観光スポットを集めて旅行計画を立てたりするなど、「キーワード検索からはわからない自分だけの答えを見つけ、自己実現に役立てている」(定国氏)という。
また定国氏は、写真を収集することで得られる経験として、自身の活用事例も紹介。「自宅のベランダを心地の良い空間にしたい」というテーマで写真を収集したところ、集まる写真に一定の傾向が見られ、自分自身が何を望んでいるのか、どういう好みを持っているのかがブラッシュアップされていったのだそうだ。定国氏は「気になった画像をどんどんピンしていくと、自然と考えの変化や自分の好みが見えてくる」と語る。
今後の成長戦略については、ユーザー数などの定量的なKPIや収益性よりも、ビジネスパートナーとの連携による良質なコミュニティ作りを重視するという。その一環として、農林水産省が海外に向けて展開する食文化啓発キャンペーン「Oishii Japan」の情報発信プラットフォームのひとつにPinterestが採用され、海外のPinterestユーザーを通じて日本の食文化を発見できる機会を提供するという。
また、ファッション誌「VOGUE JAPAN」と連携して公式アカウントを展開し、同誌が保有するファッション・ライフスタイルに関する写真を提供するほか、リアルイベントと連動した活用を予定しているという。
シルバーマン氏は日本での成長について「日本市場はまだ初期段階だが、コミュニティは確実に成長している。モバイルの活用が活発な日本のユーザーがPinterestでどのような利用シーンを生み出してくれるのか楽しみだ」とコメント。「日本は、写真を収集・整理することで自分だけの答えを探し出す“ビジュアル・ディスカバリー”の価値に理解がある国。日本のユーザーは写真が多くの情報を持つということを理解している」と、Pinterestが提供するサービス価値との親和性の高さを強調し、今後の成長に期待を寄せた。
「ネット上の“検索”という行為は、膨大な情報の中から的確な答えを導き出すものだが、ファッション、デザイン、食生活、旅行など人の個性によって正解が異なる問いに的確な答えを探し出すのは難しい。Pintarestは、写真を収集することでこの問いに対する答えを発見できるプラットフォームになる」(シルバーマン氏)。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」