スウェーデンを拠点とする音楽ストリーミング配信サービスのSpotifyは現地時間3月6日、The Echo Nestを買収したと発表した。The Echo Nestは、多くのメディア企業にウェブラジオ、レコメンデーション機能、プレイリストを提供している音楽情報企業で、これらのメディア企業の中にはSpotifyの競合企業も複数含まれる。
買収の金銭的条件は明らかにされなかった。
今回の買収は、Pandoraの「The Music Genome Project」に対するSpotifyからの回答だ。ベンチャー企業から出発してインターネットラジオサービス最大手となったPandoraは、世界中の音楽のDNAを分離して明確化し、データに基づいて関連する楽曲同士を結び付けるThe Music Genome Projectの機能を足がかりに成長した。
The Echo Nestを買収することで、Spotifyは、プレイリストの作成や特定のアーティストに関する話題の検出、類似の楽曲の推薦を行う技術を外部のパートナーにライセンス供与するThe Echo Nestの事業から、新たな収益源を獲得することもできる。
Spotifyの共同創設者で最高経営責任者(CEO)を務めるDaniel Ek氏は声明で、同社は「実に長い間The Echo Nestのファンだった」として、この買収はSpotifyが「可能な限り最高の音楽を提供することを目指す」助けになると述べた。
SpotifyとThe Echo Nestは以前に協業したことがあり、その一例として2013年にはビジュアルプレイリストツール「MixShape」をリリースしている。
ただし、The Echo Nestのプラットフォームは他にも多くの企業で採用されており、その中にはiHeartRadio、MOG(現在はBeats Music)、Rdio、SiriusXMといったSpotifyのライバル企業もある。またThe Echo Nestの顧客には、MTV、Twitter、Foursquare、VEVO、米Yahoo、Nokia、Coca-Cola、Reebokなどのメディア企業、技術系企業、大手ブランドも名を連ねる。
Spotifyが声明で述べたところによると、The Echo NestのAPIは今後も無料でオープンのままだという。このAPIは現在、非商用向けに無料で提供されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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