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「家計簿に興味がない、挫折した人のために作りたかった」--マネーツリー創業者に聞く - (page 2)

坂本純子 (編集部)2014年02月24日 09時30分
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日本発、世界へ--「日本での経験が役に立つ」

――他の国への展開はいつ頃を考えているのでしょうか。

ガラス張りのオフィスだ
ガラス張りのオフィスだ

 2014年後半に目指しています。最初はオーストラリア、ニュージーランド。近いうちに米国にも展開したいと考えています。

 日本はセキュリティやプライバシーへの要求がとても高いです。これは、嬉しい叫びであって、僕たちのことを気に掛けていただかなくてはコンタクトすらしてこないと思います。日本が求めるクオリティをクリアできれば、世界でどこでもやっていけると思っているんです。米国は最近まではハッカーを恐れる傾向にありましたが、今はセキュリティやプライバシーへの関心が高くなっています。そこでも日本での経験が役に立ちます。

 ひとつ例を挙げると、当初は即時にアプリの画面をロックする機能がありませんでした。最初は30秒後しか選択肢がなかったのです。すると、「パスコード画面がない!」といわれて(笑)30秒ぐらい待ってくれないかな、と思いつつ15秒に変更し、今は即時も含め、任意で選択できるようになりました。このように、日本クオリティはとても高いのです。iPhone 5sによって変わりつつありますが、スマートフォンのパスコード設定を使っていない人も多かったようです。

 これまでどうやったら信頼性を高められるかを考え、少しずつ積み重ねてきました。さまざまなアプリで、実名をとったりFacebookでのログインを要求したりしていると思いますが、われわれはそれらはもちろん、住所を特定できる情報も一切とっていません。一瞬でも不審がられないようにデザインをしています。

――やはりユーザーが一番気にする点はセキュリティでしょうか。

銀行やカードなど複数の利用状況、残高をまとめてチェックできる
銀行やカードなど複数の利用状況、残高をまとめてチェックできる

 それもありますが、最近は、○×銀行に対応してくださいという声が多いですね。2013年12月25日にクリスマスプレゼントとして、登録できる金融機関を100社から500社以上に増やしました。2014年には、信用金庫と地方銀行、信託銀行など1000社に対応したいと思っています(※2月20日に1000社達成を発表)。

 マネーツリーは、リボ払いなどクレジットカード情報にも細かく対応しています。各カード会社のウェブページを見ても、別のページにリボ払い、分割払い、カードローンと分かれていたりして、ちょっとわかりずらい。総額が表示されないケースがほとんどです。海外では(総額の表示は)当たり前だけど、国内では表示されません。これらを同時に表示することで、使いすぎないように手伝うことができます。満足度120%を目指してがんばっています。

――別のプラットフォームへの展開はどうでしょうか。

 以前は、Androidやウェブ版の展開も予定していましたが、今はiPadにフォーカスしています。いままでなかったユーザー体験を提供したいのです。特にiPadのファイナンス部門を見ると、ほとんどのアプリがiPhone向けの画面を大きくしたものだけです。Moneytreeも同様に2倍モードで利用できますが、iPadの大きさに特化したものを作りたいんです。電車の中では使いにくいかもしれませんが、週末にソファでごろごろしているときに見るには、iPadのほうがいい。利用目的がちょっと違います。めちゃくちゃカッコイイので、ぜひ期待してください。

――iPad向けのリリースはいつ頃を予定しているのでしょうか?

 3月~4月をめどにしています。

――このアプリは、基本的にクレジットカードを多く使う人に向いていると感じます。一方で、日本は他の国に比べてクレジットカードの利用率が低いとも言われます。

 50~60代は現金で使う人たちが多いという仮説がありますが、それは10代、20代には当てはまりません。今の大学生はパソコン離れが激しいと言われますが、彼らが何を使っているかというとタブレットです。いまいくら使ったか、来月までいくら必要か、というのがiPadで分かるようにしたいと思っています。

 リサーチをしたところ、大学生のクレジットカードの保有率が80%を超えていました。初カードは大学に入ってからという人が多く、生協などで配布されることもあるようです。また、いくつかのカードは、学生向けに簡単な審査で持つことができる。そういったところを鑑みると、土壌が徐々にそろっているかなと。

 マネーツリーのマーケティングをしていておもしろいところは、いままで家計簿をつけていなかった人たちが使ってみて、月トータルで見たらすごく高いと気付いたり、冬のボーナスをもらったけど、カードを使いすぎていたからプラス/マイナスゼロ、ということに気付いたり──というところです。

無料ゆえの不信感を払拭したい--アドオンで有料機能も導入へ

 2014年のフォーカスとしては、iPad、エクスペンスフィーチャー、国際展開の3つを掲げています。エクスペンスフィーチャーは、例えばですが、取材をした打ち合わせのコーヒーやタクシー代など、立て替えて支払ったけど後ほど経費として請求する、ということがあると思います。そういったお金の流れを、マネーツリーのシンプルさを損なわずに管理できる機能を有料で出したいと思っています。

 有料機能を出すこと、これには2通り捉え方があると思っていて、これまでマネーツリーは個人のお金を管理することだけに限られていましたが、もう少し範囲を広げられるということ。

 もう一つ、有料機能がなかったためにデータを売っているんじゃないかなどと言われることもありました。それがやっと初めて世間に対して、「こういう形でビジネスをしている」と言えるのは大きいんじゃないかと思います。

 無料であるがゆえの不信感というのは残念なのですが、GoogleもFacebookもTwitterも、初めの数年間はスケールするまでに1円もお金をとっていなかった。投資を集めてエクスパンション(拡大)してから、有料機能や広告をビジネスとして展開していったんです。でも日本ではスタートアップってなんだ?と思う人がほとんどかもしれない。アドオンでの有料課金は非常に簡単ですし、App Storeは海外でも展開しやすくなっています。さらに、日本でベストiPhone Appをいただけたことで、デザインなどのよさも証明されたと思います。

 今の家計簿アプリはちょっと複雑です。複雑な管理方法がよければ、それでいいと思います。でも、知りたい情報だけピックアップしたいならマネーツリーが便利、とアピールしたいんです。今後どんなサービス展開をするにしても、僕たちのミッションとして「あなたとお金の関係を一新する」「人の人生をよりよくする」という点は一貫しています。

 われわれが目指しているのは、家計簿に興味がない人にお金の管理を手伝ってあげたいということなのです。

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