スカパーJSAT、インドネシアで日本チャンネル「WAKUWAKU JAPAN」開局へ

 スカパーJSATは1月30日、インドネシアにおいて、日本の番組コンテンツを現地語で放送するチャンネル「WAKUWAKU JAPAN(ワクワクジャパン)」を開局すると発表した。放送開始は2月22日の17時(日本時間19時)。現地の衛星放送サービス「INDOVISION」「OKEVISION」を通じて有料で配信する。


スカパーJSATの代表取締役執行役員社長の高田真治氏

 スカパーJSATの代表取締役執行役員社長の高田真治氏は「昨今東南アジア地域で多チャンネル放送が増えており、旺盛なニーズを実感していた。しかし日本の放送コンテンツはアジアマーケットで存在感が薄く、成長著しい市場において日本の優れたコンテンツをお伝えできるようなスキームを作らなくてはいけないと感じていた。今回のWAKUWAKU JAPANは、多くの放送事業者が海外に乗り出していくであろう今後を見据え、そのお膳立てができればと思い準備を進めてきたもの。放送コンテンツだけではなく、日本の伝統文化を伝える架け橋として、日本企業のアジア進出のきっかけになるようにしていきたい」と開局に至るまでの経緯を話した。

 放送コンテンツとして用意されるのは、「あまちゃん」「孤独のグルメ」などのドラマ、「ウルトラマンコスモス」「おしりかじり虫」などの特撮・アニメ、「たそがれ清兵衛」などの映画をはじめ、ドキュメンタリーや音楽、カルチャー番組。すべて現地語の字幕がつくほか、子供向け番組は現地語の吹き替えで放送される。

 インドネシアに住む日本人向けのチャンネルではなく、現地の人に向けた編成を組んでいることが特長で、開局にあたっては現地調査を実施。「興味・関心のあるコンテンツジャンル」を聞いたところ、1位がドキュメンタリー、2位がアニメ、3位がトラベル(紀行)といった結果が出ており、番組編成にも反映している。

 また番組名WAKUWAKU JAPANも、複数の候補の中から現地で一番支持されたネーミングを採用したとのこと。「愛される日本語の1つに育って欲しい」(スカパーJSAT 取締役執行役員専務の田中晃氏)とした。

  • チャンネルロゴ

  • 認知拡大に向けインドネシアでテレビCMも実施。CMキャラクターにはJKT48を起用する

  • サッカーのインドネシア代表でヴァンフォーレ甲府に所属するIrfan(イルファン)選手がゲストとして登場

 番組コンテンツは、NHKや民放局、地方局とスカパー!で番組を配信している放送事業者から提供されたものを使用。加えてオリジナル番組「Dream of the RED and WHITE SAMURAI」も用意する。これはガンバ大阪協力のもと制作されるドキュメンタリーで、インドネシアのユース世代の若者がトライアウトにチャレンジし、Jリーガーを目指す内容になる。

 スカパーJSATでは、ターゲットを情報発信力のあるニューファミリー、購買力のあるアッパーミドル層に据えており、開局時は約200万世帯、1000万人が視聴可能とのこと。「インドネシアの有料放送は毎年30~40%ずつ加入者が増えており、大変有望な市場。3年後には500万世帯を超える視聴者に見てもらえるよう計画している」(田中氏)。

 インドネシアから事業がスタートする理由として高田氏は「ビジネス、環境的に成長が期待できる」ことを挙げている。今後は、2014年度中にミャンマー、2015年度にはタイ、ベトナム、シンガポールへと拡大していく予定だ。


写真左から、ガンバ大阪代表取締役社長の野呂輝久氏、日本プロサッカーリーグチェアマン大東和美氏、放送コンテンツ海外展開促進機構運営委員会委員長の重村一氏、高田社長、総務省情報流通行政局コンテンツ振興課長の湯本博信氏、経済産業省大臣官房審議官の大橋秀行氏、日本政府観光局理事の加藤隆司氏

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