あらゆる種類のウェブサービスおよび中国国民に対する脅威とみなされるものへのアクセスを遮断する、中国の強力な検閲システム「Great Firewall」が現地時間1月22日、障害に見舞われた。これにより、許可されているサイトにアクセスしようとした膨大な数の中国ウェブユーザーが、Dynamic Internet Technology(DIT)のホームページにリダイレクトされるという事態が生じた。DITは、中国国民がこのファイアウォールを迂回するための技術を販売する企業だ。
中国国営の各種報道機関は、障害がハッキングによるものだと述べたが、本件に詳しいとされる情報筋らが22日にReutersに伝えたところによると、ハッキングの試みは検出されておらず、ファイアウォールに変更を加えた際の単純な人為的ミスによって問題が生じたのではないかと思われるという。
今回の障害で、多くの中国国民が初めて外部のデジタル世界を目にすることとなった。中国は何年もの間、同国の政府体制に対する脅威の可能性や、特定の話題に関するコメントを制限したいという望みなど、無数の理由に基づき、DITを含むウェブサイトを遮断してきた。
中国の正式な報道によると、本件に関する調査は継続中だという。中国のドメインネームサービス(DNS)が、「.cn」ドメインのないサイトにアクセスしようとしたユーザーを誤ってDITのウェブサイトに接続したと考えられている。Reutersによると、DITのサイトには、今回の障害発生中に1秒間あたり100万件のページ要求が殺到したという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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