テレビ局をはじめとしてメディアがベンチャーに積極的な投資を進めているが、朝日新聞社もいよいよベンチャー投資を始める。1月20日、KDDIの手がけるベンチャーファンド「KDDI Open Innovation Fund」とともにつみきに対して総額1億円の第三者割当増資を実施したことを明らかにした。
つみきは2008年5月の設立。ウェブサイトやネット広告のクリエイティブ、スマートフォンアプリなどの企画や制作をすると同時に、自社サービスとして「Filmarks」「映画番組表」「映画ニュースまとめ」を提供している。
Filmarksは2014年1月時点で累計130万件を超える映画レビューが投稿されている、ソーシャル映画レビューサービス。映画のレビューの投稿や閲覧、観たい映画をブックマークする「Clip」などの機能を備える。俳優の出演作や監督ごとに映画を表示することも可能だ。「友達と『先週末に観たあの映画がおもしろかった』という会話をすることがある。しかし友達との会話やFacebook、Twitterでは情報は流れてしまって記憶が残らない。情報が流れない場所を作りたかった」(つみき代表取締役社長の鈴木貴幸氏)
会員数は非公開だが、男女比は「45対55くらい」(鈴木氏)とのことで、女性がやや多い。また、1回の滞在時間が30分以上というユーザーが全体の20%、月10回以上起動するユーザーが80%以上と、滞在時間が長く起動回数も多いのが特徴だという。今後はユーザー限定の試写会など映画関係のタイアップ企画や広告などを進める予定。また、将来に的には映画以外のレビューサイトを横展開していくことも検討する。
朝日新聞社では、2013年に新聞業にとらわれない新事業の創出を目的とした部署「メディアラボ」を設立。新事業に加えてベンチャー投資などをするとしていたが、今回がその投資1号案件となる。同社では、今回の出資について「映画などのエンターテインメント分野は、朝日新聞社が大事にする文化的なコンテンツの1つ。デジタル時代においても協業によって、既存サービスとのシナジー効果や新たなサービスの検討をしていこうと考えている」(同社)としている。今後も、メディアラボを通じて出資や提携を検討していくという。
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