Adobe Systemsは、3Dモデルやデザインのサポートを追加することで3Dプリント市場に参入しようとしている。これにより同社は、趣味の世界を越えたさらなる市場の拡大に貢献できるかもしれない。
同社は「Adobe Creative Cloud」の「Adobe Photoshop CC」のアップデートにおいて、より広範な新機能のリリースの一環として、3Dプリント機能を統合すると発表した。これにより、Creative Cloudのサブスクリプションユーザーは、3Dデザインの作成やプレビュー、準備、プリントができるようになった。米ZDNetに記事を投稿しているCharles McLellan氏は早々と、Creative Cloudの新機能紹介を執筆している。
3Dプリント市場は、2014年に注目すべき分野の1つになると期待されている。ただ、コンシューマーやDIY製品メーカーが3Dプリンタをどのようなかたちで購入するのかは現在のところ不明だ。産業分野では、3Dプリントによってサプライチェーンが改革されるとともに、企業は必要に応じてその場でカスタム部品を作成できるようになるとされている。
デザイナーが主な顧客となっているAdobeは、3Dプリントの普及に向けた原動力になることを目指している。同社は既存の3Dモデリングツールが高品質な作品を作り出せるほど洗練されていないと考えている。同社によると、Photoshop CCは普及しているほとんどの3Dプリンタに加えて、セラミックや金属、砂岩といった材料をサポートするという。これによって同社は少なくとも、膨大な数のCreative Cloudサブスクリプションユーザーに対して、3Dプリントの可能性をもたらそうとしている。この動き1つをとっても市場は拡大するはずだ。
Adobeによるこの最新リリースでは、3Dプリントのマーケットプレイスである「Shapeways」や「MakerBot Replicator」を製造しているMakerBotがプラグインを提供しているパートナーとして名前が挙げられている。
さらにAdobeは、3Dモデルにテクスチャをつけたり、プリント中にモデルを支持するためのスキャフォールディングを含めるといったツールも用意している。スキャフォールディングの自動作成や、モデルの問題点を発見する機能により、Adobeは3Dのプリント時やモデリング時における問題点の多くを解消しようとしている。また、3Dプリンタを持っていないユーザーは、Photoshop CCからShapewaysに製作依頼を出すことで、完成品を配達してもらえるようにもなっている。
まとめると、Creative Cloudのサブスクリプションユーザーは少なくとも、3Dプリントを初体験するためにAdobeの新機能を試してみることになるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
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