スマートフォン向けゲームを中心にしたイラストをクラウドソーシングで制作するMUGENUP。同社が次に挑戦するのは“クラウドソーシングでのメディア作り”だという。1月に入ってゲーム情報を取り扱うウェブメディア「みなゲー」のティザーサイトを公開。ライターの募集を開始した。
みなゲーでは、ライター登録したユーザーに対して「ストーリーやイベント攻略」「プレイ日記」といった執筆依頼が送られてくる。これに応じて攻略記事を書き、承認されると執筆に対する報酬を得られるというものだ。2月にも正式サービスを開始する。「深夜0時に(ゲームの)クエストが配信されて、夜には攻略コンテンツが作られる世界を目指している。記事の良質さでは勝てないかもしれないが、まずはスピードで勝ちたい」(MUGENUP代表取締役の一岡亮大氏)
2011年6月に創業した同社は、当初ソーシャルギフト事業を展開していたが、間もなくクラウドソーシング事業に主軸を据えた。社内にディレクターを置いて、行程ごとに作業を分担してイラストの作成を手掛けていた。
2013年3月には「MUGENUP WORK STATION」と呼ぶ進行管理ツールを開発。これはクラウドソーシングの受託者とディレクター間でのチャットやファイル管理、工程管理といった機能を統合したもの。タイピング速度や行程ごとの作業時間なども管理し、「それぞれのクリエーターは何が得意か、ということを計測する仕組みを作ってきた」(一岡氏)。このツールの開発により、受託可能な仕事の件数も大幅に拡大。現在では1万5000人以上のクリエーターが登録。常時600人ほどのクリエーターが仕事を受けているという。
そんな同社が2014年に取り組むのが、“仕組みの横展開”だ。第1弾となるみなゲーでは、ゲームをプレイする「ゲーマー」、記事を執筆する「ライター」、それを編集する「エディター」で分業してゲームメディアを展開するという。「今まではゲームをプレイできて、ライティングでもできるという人でないとゲームメディアで記事を書けなかった。ただし、安かろう悪かろうというコンテンツでは受けない。(事業の)難易度が高いが挑戦する価値はある」(一岡氏)
みなゲー以外でも横展開の予定があるという。すでに2Dのイラストに加えて3Dデータの取扱い進めているというMUGENUP。今後は自社で3Dデータのパブリッシングや、3Dデータとモーションキャプチャーを組み合わせて新しい動画コンテンツも手掛けるという。社内にはスタジオも用意。第1弾として、動画コンテンツ「こちら娘島高等学校ほーそお部」を間もなく提供する予定だ。
「(3Dのキャラの)顔の表情や服など、クラウドソーシングで素早く制作することで、ユーザーの反応にあわせて新しいデータを作成し、翌週にはそのデータで動画を作るといったこともできる。さらに3Dキャラに人気が集まれば、そのデータをもとにフィギュアなどを作成するといった商品化もできると思う」(一岡氏)。
同社では3Dクリエーターを確保するため、台湾の専門学校とも提携を実施しているという。「 クラウドソーシングの強みはお金で素早くコンテンツ量を増やせるということ。これを使えば制作だけでなくより複合的なサービスを展開することができる」(一岡氏)
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