米国家安全保障局(NSA)の活動を告発したEdward Snowden氏は英テレビ局Channel 4を通じて、クリスマスにあたる現地時間12月25日にビデオメッセージを発信した。「プライバシーは重要だ」というシンプルな内容のメッセージだ。
「今日生まれた子供は、プライバシーという概念をまったく持たずに成長するだろう。自分自身のプライベートな瞬間、記録されず分析されない思考を持つことの意味を知ることは決してないだろう」と、Snowden氏は1分43秒のメッセージの中で述べた。「それは問題だ。プライバシーは重要だからだ。プライバシーとは、自分自身の在り方と望む姿を私たちに決断させてくれるものだ」(Snowden氏)
Snowden氏は、George Orwell著「1984」を取り上げ、マイクやビデオカメラ、テレビが人々を監視するという同書に描かれた悲観的な構想は、「今日存在するものとは比べものにならない。私たちはどこにいっても私たちを追跡するセンサーをポケットに入れている」と述べた。
また同氏はこのメッセージによって、あらゆる場所にいる人々に対し、広範囲に及ぶ監視に反対することを促している。
「現在交わされている議論によって、私たちを取り巻く技術とそれを規制する政府の両方を、私たちがどれだけ信頼できるかが決まる。力を合わせることによって私たちは、より良いバランスを見出すことができる」と同氏は述べた。「大規模な監視を終わらせよう。そして、私たちの思いを本当に知りたいのならば、盗聴することよりも尋ねることの方が間違いなくコストのかからない方法だということを政府に分かってもらおう」(Snowden氏)
英国のChannel 4は、Elizabeth女王による恒例のクリスマスメッセージに対して、同局が毎年放映するもう1つのメッセージとして、Snowden氏を選んだ。
Snowden氏は2013年に入ってNSAの広範囲に及ぶ電子監視プログラムについて暴露した後、ロシアに一時的に亡命している。米司法省は同氏を、スパイ活動法(Espionage Act)に違反したなどの容疑で訴追している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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