モバイル機器向けメッセージアプリ「Kik Messenger」を開発したKik Interactiveは米国時間12月12日、登録ユーザー数が1億人を上回ったと発表した。この数は、1年前の3倍以上にあたる。同社の最高経営責任者(CEO)Ted Livingston氏が米CNETに語ったところによると、ユーザーは日ごとに増えており、多い日には25万人の登録があるという。
2010年に初めてアプリをリリースしたKik Interactiveは「iPhone」や「Android」「Windows Phone」向けの、そして非公式にではあるが「BlackBerry」向けのメッセージアプリを開発している。同社が軌道に乗ったきっかけはBlackBerry向けのアプリであった。しかしBlackBerryとの間に法的な問題が持ち上がったため、カナダのオンタリオ州に拠点を置く同社はよりフレンドリーなスマートフォンプラットフォームに注力することにしたのだった。同社によると、最近の大幅なユーザー増は米国の10代の若者によるところが大きいという。
Livingston氏は「われわれのユーザーの50%は米国にいる」と述べたうえで、アプリの市場調査会社であるDistimoが11月に発表したデータに言及し、「実際のところ、Kikは現在米国において、ダウンロード数で『WhatsApp』を上回っている」と付け加えた。
欧米諸国の若者は、テキストメッセージ数の上限がない通信プランに既に加入しているか、「iPod touch」を所有しているため、競合アプリではなくKik Messengerに引き寄せられている。そして同アプリはWhatsAppとは異なり、電話番号を使うことなくチャットができるようになっている。
Livingston氏は「Kikでは、電話番号ではなくユーザー名で登録するようになっている」と述べたうえで、「大規模市場という観点で見た場合、ユーザー名は電話番号よりも複雑であるため、扱いづらいと言える。しかし電話番号を持っていない、あるいは電話番号を教えたくないという場合、ユーザー名は素晴らしいものだということになる」と述べた。
実際、若者はInstagramやTumblr、Twitter上でKikのユーザー名を教え合い、新たに知り合った人々とチャットしているという。Livingston氏は「みんな、そのようにしてKikを利用している」と述べた。
同社にとって、より優れたテキストメッセージ機能を提供することが最優先事項となっているが、それだけではWhatsAppや「LINE」「KakaoTalk」を含む、Kikと同様にユーザー数の多さを誇るたくさんの競合アプリとの差別化を図るのは困難である。
Kik Interactiveは他社との差別化を図るために、このメッセージプラットフォーム上でアプリを動作させたいと考えているサードパーティー企業に対して「Cards」という仕組みを公開した。Cardsを用いることで、Kikユーザーはゲームをしたり、スケッチを描いたり、楽曲を共有したり、Foursquare経由で位置情報を送信したりできるようになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
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