スマートフォンチップメーカーのQualcommは米国時間12月9日、最新モバイルプロセッサ「Snapdragon 410」を発表した。これにより、64ビットの処理能力を備えたプロセッサが同社の主力チップシリーズに加わった。
Snapdragon 410は、LTEインフラストラクチャを構築中の新興市場、特に中国向けのスマートフォンに4G LTE統合チップを搭載するというQualcommの野望を実現するものでもある。
Qualcommは、電子機器の頭脳の役割を果たすアプリケーションプロセッサを供給する企業で、モバイルデバイスにワイヤレスネットワーク接続機能を追加するチップの供給で市場をリードしている。とりわけ同社の4G LTEプロセッサはこのところ大きな支持を得ており、「iPhone 5s」などの製品に採用されている。しかし、Intelなどの企業による競合製品が市場に投入されるにつれて、4G LTE分野の競争は激化するとみられている。
Snapdragon 410の発表によって、Qualcommは発展途上市場で優位に立った。64ビットに対応した製品をリリースする最初のチップメーカーの1社にもなった。64ビットチップを採用することで、大量のデータをより効率的に処理できる高速アプリが可能になる。ただし、ほとんどのモバイルOSおよびアプリは現時点では64ビットをサポートしていない。
Appleは9月、64ビットを採用したARM Holdingsベースのスマートフォンチップを製造する初めての企業になった。その発表の後、Qualcommは、同社も64ビットに取り組んでいるが、エコシステム(「Android」OSを含む)の準備が整うまで、そのようなチップはリリースしない、と述べていた。
64ビットと4G LTE「World Mode」に加えて、Snapdragon 410は13メガピクセルのカメラ、1080p HD動画再生、「Adreno 306」GPUもサポートする。同チップセットはまた、Androidおよび「Windows Phone」OSに対応する。
Snapdragon 410は、28ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)プロセスで製造されている。これは、サムスンの「GALAXY Note 3」やLGの「Google Nexus 5」などのスマートフォンに搭載されている「Snapdragon 800」を含むQualcommのほかの高速チップ群と同じだ。
Qualcommによると、Snapdragon 410プロセッサ搭載スマートフォンは150ドル程度かそれ以下(約1000人民元)で販売される見通しだという。同チップを搭載するデバイスは2014年下半期に市場に投入されると同社はみている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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