教科書レンタルの新興企業Zookalで本を発注した人は、あとは空を見上げて待てばよい。
Zookalは航空技術開発の新興企業Flirtey(ZookalとVimbraの合弁事業)と提携し、無人航空機(UAV)を使って顧客に小包を届けるサービスを2014年より開始する。両社によると、使用する技術は、これまで軍や大学だけに提供されていたものだという。
2014年3月より、シドニー中心業務地区(CBD)の3km(1.8マイル)圏内にいる顧客は、6機のヘリコプターのうちの1機による無料配送を手配できるようになる。配送手配には屋外を指定する必要があり、ドローンが顧客の「Android」版アプリから送信されたGPS座標に基づいて顧客のもとにたどり着くようになっている(同プログラムの運用開始後には「iOS」版アプリも作成される予定)。ドローンは顧客のいる場所の上空で止まり、格納式のケーブルで教科書を下ろす。顧客が小包を取り外すとドローンは引き返す。発注から配達までにかかる時間は早ければ2、3分の可能性がある。
顧客が指定した場所にいないときは教科書を下ろさない。顧客はアプリのボタンをタップして小包を下ろす必要がある。ドローンは配送先から飛び立つ前に少しの間次の指示を待つが、配送予定を再設定する必要がある。
Zookalの最高経営責任者(CEO)でFlirteyの共同設立者であるAhmed Haider氏は、この配送システムは配送時のコストを大幅に節約すると述べている。
「Flirteyとの今回の合弁事業で、われわれは商品の配送時間の大幅な短縮と効率の向上を実現しつつ、エコロジカルフットプリントやコストを削減する機会を得ることになった。ドローンを使用することにより、配送1回あたりのコストを(オーストラリアドル換算で)8ドル60セントから80セントに削減できると見込んでいる。ドローンはバッテリ駆動式なので、環境への影響も最小限に抑えられる」(Haider氏)
ドローンによる小包の配送は既に中国で実施されている。しかし、オーストラリアは民間航空安全局(Civil Aviation Safety Authority)が2013年に入って導入した規制によって、商用UAVのパイオニアとして独自の地位にある。商用UAVの普及促進を目指し、2kg(4.4ポンド)以下の重量クラスも新たに導入された。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」