NHN PlayArtは10月17日、毎日新作が読めるウェブ漫画サービス「comico(コミコ)」を公開した。当初は、同社がプロ契約した人気アマチュア漫画家の56作品を掲載し、曜日ごとに決まった作品の続きが更新される。2013年内には一般ユーザーによる作品投稿も可能にする予定だ。
まずはPC版から提供し、10月下旬にはスマートフォンアプリ(iOS/Android)を公開する予定。サービス利用や漫画の閲覧料金は無料となっている。
comicoでは、通常の電子コミックのようにページを横にめくるのではなく、画面を縦にスクロールしてコマ割りのない漫画を閲覧するスタイルを採用しているのが特徴だ。1話につき短くて1~2分、長くても5分程度で読み終わるため、電車内でつり革につかまっている際などでも、スマートフォンを使って片手でサクサクと読み進められる。会員登録をすれば、作品を評価したりコメントを残したりすることも可能だ。
2013年内には、一般ユーザーが誰でも漫画作品を投稿できるようにし、人気の高い漫画家とはプロ契約をする。プロになると週に1回は更新する必要があり、読者の人気によって原稿料の価格が変動するという。作品の内容は自由だが、過度なアダルト作品や他者と酷似(いわゆるパクリ)した作品、読者からの通報が一定数を超えた作品などは削除の対象とする。
韓国NAVERでは、数年前からユーザー投稿型のウェブ漫画サービス「Webtoon(ウェブトゥーン)」を提供しており、デイリーアクティブユーザーは800万人にのぼるという。また、投稿した作品が人気を集めてアニメや映画として実写化されるなど、大きな成功を収めた漫画家もいるという。NHN PlayArt代表取締役社長の加藤雅樹氏は、comicoをWebtoonのような“アマチュア漫画家にとっての登竜門”にしたいと意気込む。
また、日本でもプロ契約をした漫画家の作品については、ゲームポータルサイト「ハンゲーム」でのコラボをはじめ、書籍やドラマ、映画などのクロスメディア化を、NHNグループ全体でバックアップするとしている。「(同社の主力事業である)ゲームと漫画の親和性は高い。NHN PlayArtの弱みはIP(Intellectual Property:知的財産)タイトルが少ないこと。やはり自分たちでもそういったものを作家さんと一緒に生み出していきたい」(加藤氏)。
同社では、当面は収益化よりも、comicoのユーザー数の拡大や作品数の拡充を優先していきたいとしている。
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