鮮魚のIT物流を手がける八面六臂、総額1.5億円の第三者割当増資を実施

目黒譲二 岩本有平 (編集部)2013年10月07日 11時06分

 八面六臂は10月7日、ピグマリオン2号投資事業有限責任組合(ピグマリオン2号)、Vector Group International(ベクトル)、ウインローダーを割当先とする第三者割当増資を実施し、総額1億5000万円を調達したと発表した。

 あわせて、ピグマリオン2号のアドバイザーを務める藤野英人氏(レオス・キャピタルワークス最高運用責任者)が取締役に、ベクトル代表取締役の西江肇司氏がアドバイザーに就任する。

 八面六臂は、鮮魚に関する需要と供給を情報システムで処理し、最適な物流網で商品を届けるプラットフォームサービスを提供する企業。2007年5月に設立された。代表取締役は松田雅也氏。iPad向けのアプリを店舗向けに提供し、これを通じて店舗に鮮魚を提供している。アプリ上での手書き注文などにも対応する。ユーザーは現在200店舗ほど。

 「日々状況の変わる鮮魚の情報は金融情報と同じようなもの。それをITで届けていく。しかし店舗からすれば電話やファックスより手軽でなければ使わない。ユーザーインターフェースにもこだわったアプリを開発している」(松田氏)。だが、あくまで立ち位置は「納品業者」であり、中抜きを排除して産地からの直接取引をするというモデルではない。「(産地から市場、中間業者、店舗という)階層化された構造は本来合理的。だが産地は高齢化などの問題も抱えており無駄が増えている」(松田氏)とし、これをITで解決すると言うのが同社の考えだという。

 八面六臂では、今回の増資により、新規エリアを含めた顧客基盤の拡大を実現するための人材強化およびシステム開発を中心とした設備投資をするとしている。

 また、ベンチャーキャピタルからの出資だけではなく、戦略的な事業パートナーからの出資として、PR業界のベクトル、全国に物流ネットワークを持つウインローダーからの出資を受け入れることで、事業拡大のスピードをより一層加速させるとしている。

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