Carl Icahn氏はDellの非公開化阻止を断念し、基本的には同社の創設者であるMichael Dell氏とSilver Lake Partnersによる最良かつ最終的な提案に会社の命運を任せることにした。ただしIcahn氏は、手を引くにあたって多少の「口撃」も加えた。
Dell氏とSilver Lakeは8月、同社の株式非公開化修正案で提示額を1株あたり13.75ドルに引き上げ、さらに特別配当として1株あたり13セントを上乗せするとしていた。この提示額は基本的にIcahn氏が提案していた金額に対抗できるものだった。
Icahn氏は、Dellの株主に宛てた書簡で次のように述べている。
取締役会は2月にDell氏とSilver Lakeの提案を受け入れたが、株主に対しては、総会を開いてこの買収を受け入れるかどうか株主が最終判断を下せるようにすると約束した。取締役会は、Dell氏とSilver Lakeによる「最良かつ最終的な提案」であるとして、この買収案に支持票を投じるよう株主に求めた。IcahnとSoutheastern Asset Managementは、株主はDellの持つ大きな可能性を諦めるべきではなく、したがって買収案を拒否するべきだと主張した。われわれは勝利したか、少なくとも勝利したと思ったが、取締役会は投票に負けたことを認識すると、その結果をあっさり無視した。独裁国家でさえ、与党が選挙で敗れた後にその結果を無視したら、自らの行動を正当化するもっともらしい理由を提示しようとするものだ。Barron's誌のAndrew Bary氏はいみじくも『Dellは、ロシアのVladimir Putin大統領じみた振る舞いで、この買収を支持する株主の数が不十分だと明らかになると、Dell氏による同社の買収案について先週の木曜日に予定されていた投票を延期した』と述べている。だがDellの取締役会は、投票基準や、投票権を持つ株主を決定する基準日を変更するにあたって、弁明は必要ないと考えた。これらの変更によって、裁定取引トレーダーは投票の再開時にはるかに大きな割合の株式で議決権が得られた。また、年次株主総会は10月に設定された。取締役会は自らの行動を正当化するのに、どんな状況でも使えるおなじみの『経営判断』とデラウェア法を根拠とした。われわれは冗談交じりに『Dellと独裁国家の違いは何だろうか?』と自問するが、その答えはこうだ。うまく動いている大多数の独裁国家は、勝つために投票を延期する場合も1回だけで済む」
Icahn氏は勝利できなかったと認めたものの、自らの積極的な行動によって株主価値は高まったと強調した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」