ハイクオリティでコンパクト。Olasonic(オラソニック)がそんなコンセプトで展開するのが「NANOCOMPO」シリーズだ。これまでD/Aコンバーター内蔵のプリメインアンプ「NANO-UA1」、CDトランスポート「NANO-CD1」が登場し、市場に好評を持って受け入れられている。そして第3弾として、今回姿を表したのが、ヘッドホンアンプ内蔵のDAコンバーター「NANO-D1」である。
出力はヘッドホン端子と、ライン(RCA)をそれぞれ1系統用意。加えて、使用するヘッドホンのインピーダンスに合わせて、LOW(100Ω未満)および HIGH(100Ω以上)に切り替えられる「ヘッドホンインピーダンスセレクター」も装備した。
では、本機とMacBook AirをUSBケーブルで接続し、ハイレゾファイルを聴いてみることにする。ヘッドホンはADLのオーバーヘッド型「H118」を使用した。まず、様々な機器のチェックに活用しているデヴィッド・ボウイの新譜「ザ・ネクスト・デイ」(96kHz/24bit)から「ヴァレンタインズ・デイ」を再生する。真っ先に感じたのは、低域の力強さである。
特にエレキギターやベースは深みがあるものの、輪郭が曖昧にならず、ヘッドホンの振動板から音が真っ直ぐ耳の奥に届くかのようだ。ヴォーカルには程よい伸びがあって、アコースティックギターの高域もつややかである。また、ヴォーカルや各楽器の余韻がブレンドされているため、一体感のあるバンドサウンドを味わうことができた。
このサウンドならきっとマッチするだろう、と次に聴いてみたのはダフト・パンクの「ランダム・アクセス・メモリーズ」(88.2kHz/24bit)。約10年前の世界的ヒットから、かたくなまでに変わらないディスコサウンドがこの新譜でも聴ける。やはり、冒頭から躍動感のあるサウンドが耳に飛び込んできた。ギターのソリッドなカッティング、ドラムスとベースのタイトなコンビネーションなどがひとつの大きなグルーブを織り上げている。
最後はもう少し落ち着いたトーンの楽曲を。ハリー・コニック,Jr.の「エヴリ・マン・シュッド・ノウ」から「アイ・ラヴ・ハー」。ボサ・ノヴァを基調として、テナーサックスやストリングス、そして彼の歌が解け合ってゆく。ストリングスは滑らかで、歌声は深い。特段に色づけがなく、素直な再現力があるといっても良いだろう。こうした部分にハイレゾファイルのアドバンテージも感じた次第だ。
ちなみに本体のサイズは、シリーズで統一が図られており、CDジャケットを3枚積み重ねたほど。それにアルミダイキャストのボディは、ずっしりとした重さがあり、安定感と安心感がある。縦置きにも対応。ハイレゾを軸としたこれまでにないオーディオの楽しみ方。コンパクトな筐体に、それが凝縮されているように思えた。
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