カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は7月11日、宮城県多賀城市とJR多賀城駅周辺の中心市街整備事業において連携すると発表した。書店や図書館などを建設し、文化交流拠点づくりを推進する。
多賀城市は宮城県のほぼ中央に位置し、人口は約6万2500人。2011年3月の東日本大震災では市域の3分の1が大津波によって浸水し、一時は1万2000人を超える市民が避難生活を送った。
両者の連携で開発されるのは、JR多賀城市駅近く。約40年にわたり取り組んできた「JR多賀城市駅周辺の中心市街地整備事業」を震災復興のシンボルと位置づけ、図書館を中心とする「東北随一の文化交流拠点」を作り上げる。CCCは、蔦屋書店を多賀城市に出店するとともに新図書館の設立にコンセプト作りから参加する。
CCCは2013年4月、佐賀県武雄市に同社が管理、運営する「武雄市図書館」を開館。公共図書館内にスターバックスを初出店させるなど注目を集めた。CCC代表取締役社長兼CEOの増田宗昭氏は「武雄市図書館は、今までの図書館のイメージを全く変えてしまうような『あそこへ行こう』と思えるような場所になった。来館者数は4~6月の3カ月間累計で26万4000人となり、2012年実績の6万1000人を大きく上回っている。貸し出し冊数も2012年実績の7万7000冊から2013年4~6月は14万9000冊まで増えた」と実績を話す。
今回の多賀城市立図書館は設立から35年を迎え、立て替えを計画。「武雄市はイノベーションの部分からお手伝いしたが、今回はコンセプトや建築まで含めてお手伝いさせていただける」(増田氏)と意欲を見せる。
図書館のキーコンセプトは「人と人がツナガル コミュニティ空間」。1階はリビング、2階は書斎をイメージした空間を考えており、カフェに加え、食事ができる場所まで提供したいとする。また「最新の情報が得られる雑誌についても海外のものを含め数多く提供したいと思っている。そのための蔦屋書店を出店する」(増田氏)とした。
多賀城市長の菊地健次郎氏は「JR多賀城駅前は現在何もない状態で、市民は何ができるか待望している。もちろん一部に反対の声があることはわかっているが、今回の発表があったときに『CCCに来ていただくようがんばってほしい』という声が圧倒的に多かった。多賀城市はへそ(中心地)のない街と言われてきたが、今度こそ中心市街地を作りたい」と思いを話した。
開館は2015年夏を予定。蔵書は、武雄市図書館でも利用しているオリジナルの検索方法を採用することで、本を発見する楽しみを提供する図書館を作るとのことだ。
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