Sansanは6月24日、名刺管理サービス「Eight」のリニューアルを実施した。
Egihtは、個人向けの名刺管理サービス。スマートフォンで撮影したり、スキャナでスキャンした名刺を専用のスマートフォン向けアプリおよびWindows、Mac向けアプリを通じてアップロード。名刺データを手入力でデータ化し、クラウド上で管理できるサービス。
2012年2月にサービスを一般公開し、これまで20万ユーザー、580万枚の名刺をスキャンしてきた。ユーザーの登録者数も2012年末から春にかけて急増。データ化した名刺の数も、年始から今までを比較して、120~130%程度になっているという。
Sansanは4月に5億円の資金調達を実施しており、その際同社の代表取締役社長である寺田親弘氏が、「これまでは『名刺をためるアプリ』だったが、今度は『名刺のデータを使うアプリ』にしたい」と語っている。
iOS、AndroidともにこれまでHTML5ベースだったアプリをネイティブアプリ化。UIも大幅に変更した。電話帳のように氏名や会社名の五十音順、登録順で名刺を閲覧できるほか、タグを使ったグループ化や各名刺へメモを付けることができる。「レイアウトもシンプルにして、いかに名刺の情報を使えるかを意識した」(Sansan Eight事業部マーケティングマネージャの千住洋氏)
また、テキストデータはアプリ内にキャッシュすることで、ネットワークがつながらない場所でもテキストを素早く閲覧できるようにした。
さらに、これまで氏名、会社名、電話番号、メールアドレスの項目に限定してデータ化していたが、データ化の範囲を拡大。住所や代表番号と部署番号といった複数の電話番号などのデータ化もするようになった。すでにデータ化している名刺に関しては今後対応していく予定。
データ化の項目が増えることで、作業に必要なリソースは増えることになる。これに対しては、クラウドソーシングの仕組みを利用するほか、オペレータが入力する部分を最小限に限定する仕組み作りに注力することでカバーしていくという。「たとえば一度入力した名刺を二度入力しないように画像比較のエンジンやOCRの精度を高めるといった点に力を注いでいる」(Sansan CC本部 コネクタ/Eightエバンジェリストの日比谷尚武氏)、「弊社のサービスだと、とにかく『人がデータを入力する』という部分に焦点が当たっている。現在はクラウドでの入力を含め、人がなるべく入力しないで済むよう技術探求を重ねている」(千住氏)
Eightは今後も当面無料でサービスを提供し続ける。「マネタイズの方式自体はいろいろと考えているが、そこにリソースを割くよりも海外に出て行きたい。またアプリ自体もブラッシュアップして価値を作りたい」(千住氏)。データ化自体は英語と中国語に対応しているというEightだが、今後は英語版および中国語版アプリの開発なども9月をめどに進める。
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