2本目のビデオ(下を参照)は、先週から米国でオンエアのテレビコマーシャルだ。基調講演の終わりにこのビデオが流れる前に、Cook氏は次のように語った。「イベント冒頭で紹介した言葉は、われわれにとって単なる言葉以上のものだ。それはわれわれの指針となる価値観であり、われわれを動かすものだ。皆さんは、それらが製品に反映されているのを目にしてきた。このことについて、われわれがどれほど深く感じているかを表すためのコマーシャルを作った」
そのビデオは、1本目のビデオのメッセージの大部分を繰り返している。つまり、Appleは数少ない製品に多くの時間をかけており、その製品デザインを通じて、人々の生活をより良いものにしようと努力しているということだ。さらに、価値について、そして、iPhoneの大型のスクリーンのような機能が存在すべきかどうかということについて語っている。
まさにこれだ。これこそが重要だ。製品を経験するということ。それは人をどんな気持ちにするだろうか。生活をより良いものにするだろうか。存在するだけの価値があるだろうか。われわれは、数少ない素晴らしいものに多くの時間を費やす。われわれが手がけたアイデアのすべてが、あらゆるユーザーの生活をよくするまで。それを目にすることはほとんどないかもしれない。しかし、あなたはいつでもそれを感じるだろう。これがわれわれの署名であり、それがすべてだ。
しかし、2本目のビデオは魔法や手品のような要素についてもほのめかしている。それは、AppleのチーフデザイナーJony Ive氏が「深遠で永続的な美」と呼ぶものだ。それぞれのデザイン要素は、全体の一部であり、複雑さに秩序をもたらす黄金比の一部である。ユーザーはそれを意識することはないかもしれないが、本質的に「感じて」おり、それがブランドとの感情的な結びつきを生み出しているのだと、Appleは考えている。
完ぺきさの追求と、深遠で永続的な美を備えたものを作り出すことへの没頭は、成果を上げているように思える。Appleはこれまでに6億台の「iOS」搭載端末を販売している。Apple Storeへの来客者数は1日100万人、App Storeで販売されているアプリは9億件、App Storeのアカウント数は5億7500万件で、そのほとんどにクレジットカード番号がひも付いている。Macの売り上げは過去5年間で100%増加している。これに対して「Windows」PCはわずか18%の増加だ。
その黄金比が役に立っているのかは誰にも分からないが、Appleがユーザーとの感情的なつながりを生み出し続けられる限り、このカメはレースに勝って、次のレースに進むことができる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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