報道によると、最高機密である米国の高性能兵器システムの設計情報の一部に中国のハッカーがアクセスしたことが、国防科学評議委員会が米国防総省のために作成した機密報告書によって明らかになったという。
The Washington Postがコピーを入手したその報告書には、ミサイル防衛や戦闘機を含む20件以上もの兵器システムのリストが掲載されている。専門家はThe Washington Postに対し、今回のセキュリティ侵害により、中国は自国システムの開発を加速させ、米国の軍事的地位を弱めることができると述べている。今回の侵害は、中国が関与するとされる最新の事例だ。
「Resilient Military Systems and the Advanced Cyber Threat(抵抗力のある軍事システムと高度なサイバー脅威)」と題された同報告書の公式版では、今回のサイバー脅威を「深刻」と評価し、起こりえる状況を「冷戦時の核の脅威」にたとえた。
「(米国防総省は)この脅威から身を守るための備えができていない。現在の能力とテクノロジでは、最も洗練されたサイバー攻撃から確実に身を守ることは不可能だ」(同報告書)
ハッカーのアクセスを受けた設計情報の一部には、「PAC-3」として知られる高性能「Patriot」ミサイルシステムや「F/A-18」戦闘機、「V-22 Osprey」、「Black Hawk」ヘリコプターに関する情報が含まれる、とThe Washington Postは報じている。
今回の侵入行為はいつ、どこで発生したのか、そして、政府と請負業者のどちらのコンピュータネットワーク経由で実行されたのかということについては、それらの文書では触れられていない。
ある米軍高官はThe Washington Postに匿名でこのように語った。「多くの場合、彼らは米連邦捜査局(FBI)がドアをノックするまで、自分たちがハックされたことに気づかない。今回の件は、中国にとって何十億ドルにも相当する軍事的利益だ。彼らは25年間分の研究開発の手間を省くことに成功した」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」