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World Wide Webが20周年--そのオープン性を脅かす新たな問題 - (page 2)

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2013年05月07日 07時30分
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 しかし、コーデック問題に取り組む段になると、標準策定グループは別の方法に出た。H.264は普及していたが、特許の問題があった。一方、当時の主要なロイヤリティーフリーのコーデックは「Theora」だったが、それほど広く普及しておらず、画質の問題に悩んでいた。

 Tim Berners-Lee氏が1990年にウェブサイトを収容するためのソフトウェアとウェブサイトを訪問するためのブラウザを開発したNeXT製マシン
Tim Berners-Lee氏が1990年にウェブサイトを収容するためのソフトウェアとウェブサイトを訪問するためのブラウザを開発したNeXT製マシン
提供:CERN

 Googleは現在それらを両立させようと、同社が「WebM」と呼ぶストリーミングビデオプロジェクトの一環として、多額の資金を投じて「VP8」と呼ばれるロイヤリティーフリーのコーデックを開発し、普及を図っている。VP8の上にかかる特許の雲を払いのけようと、GoogleはMPEG LAとライセンス契約を結んだが、Nokiaは、自社がVP8関連特許を取得しており、そのライセンシングはしていないと主張している。

 H.264がモバイル端末に広く普及していることは、このテクノロジへの挑戦をさらに難しくしている。Mozillaは、特許という障壁を嫌っているが、H.264の支配は黙って受け入れており、OSがH.264をサポートしていれば、FirefoxでH.264ビデオを再生できるようにサポートを構築し始めている。そうしたOSサポートは、「iOS」「Android」「Windows 7」「Windows 8」「OS X」で行われている。

 しかしコーデックをめぐる争いは終わっていない。Googleは「VP9」を開発中であり、VP8も引き続き改善しようとしている。最近は「WebRTC」と呼ばれるピアツーピアのビデオチャットおよび音声チャットのための標準が戦いの場になっている。これはウェブアプリに「Skype」のような機能をもたらすものだ。Googleと同社に賛同する一部企業は、VP8サポートをWebRTCに必須の要素として規定しようとしているが、激しい反対に直面している。

ウェブ上のデジタル著作権管理

 対立が絶えないもう1つの分野は、デジタル著作権管理(DRM)だ。これは、ユーザーが映画や音楽などのコンテンツでできることを制限するテクノロジである。DRMを使えば、ユーザーがテレビ番組の複製や、友人との音楽の共有、24時間経過後のレンタル映画の再生を行えないようにすることが可能だ。

 この場合でも、DRMをウェブブラウザに持ち込んだのはFlash Playerだった。しかしNetflixはMicrosoftによる競合プラグインである「Silverlight」を使うことを選んでいる。

 HTML5がビデオ機能を組み込んだ際、DRMへの備えはなかった。現在、Google、Microsoft、Netflixなどの企業が、HTML5に「Encrypted Media Extensions」(EME)と呼ばれるテクノロジを組み込もうとしている。EMEは、実際にはDRMを備えていないが、EMEが提供するメカニズムによって、ウェブページはDRMモジュールを呼び出すことができる。つまりFlashやSilverlightに頼らなくても、ウェブ上のビデオを見られるということだ。

 ウェブ標準の中心人物であるIan Hickson氏は、ウェブにDRMを持ち込むことを非難している。また最近ではFree Software Foundationが、EMEの標準化にW3Cが関与することへの反対意見を取りまとめようとしている。

 しかしDRMは、暗号化スキームが何度もクラッカーの手によって破られるなど、欠点があるにもかかわらず、消えてしまうことはなさそうだ。W3Cの場で、EMEというプロプライエタリテクノロジへのドアが閉じられれば、DRMビデオは、ブラウザの非標準的機能であるプラグインや、ウェブを完全に回避するアプリという形で生きのびるだろう。

さらにオープンに

 こうした問題にもかかわらず、ウェブはその基盤となっているテクノロジについても、そのコンテンツについても、依然として非常にオープンだ。ウェブの使用の妨げになるものに焦点を当てるのは簡単だが、全体としては、ウェブサイトやサービスを構築する際の障壁は一般的にはかなり低い。

 それゆえに、数え切れないほどの企業がオンラインショップを開設し、高度に相互接続された、情報のグローバルネットワークを構築することが可能になっている。

 Tim Berners-Lee氏と自身が考案したWorld Wide Web。1994年撮影
Tim Berners-Lee氏と自身が考案したWorld Wide Web。1994年撮影
提供:CERN

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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